芸術性がどんどん増していった縄文式土器 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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1万5千年も続いた縄文時代ですから、その中での変遷はか

なりの数あります。そして縄文式土器も、様子がだいぶ変わり

ました。

 

土器の用途としては、主にに煮炊きや貯蔵といったものなので、

当初は実用性のみが重要視され、つくりは表面に文様が描かれ

ただけのシンプルなものでした。

 

しかし中期以降になると、縄文式土器は文様が立体的になり、

芸術性がどんどん重視されるようになったのです。

 

たとえば、火焔土器といって、口縁の上に焔が燃え盛るようなか

なり派手やかな造形がつけられたもの。しかも、意味ありげにS

字状のモチーフがあしらわれた隆帯文でできていたりもします。

 

曽利式土器といって、火焔式土器に対し水煙土器と呼ばれるも

のがあります。やはり立体的で派手。渦巻く水の流れがモチーフ

になっています。

 

他にも、蛇など動物がモチーフになったものがあります。これら

はかなり複雑な幾何学模様も刻み込まれています。

 

実用性の他に芸術性が重んじられていったのは、当時の人々

にすでに芸術的価値観が生じていたと同時に、祭祀が盛んに

なっていったことが影響していると思います。

 

祭祀が盛り上がること。そして華やかな土器を祭祀で使用するこ

とで人々の気持ちが高揚し、結束が高まることが目的だったと思

われます。ただ造るのに技術が要るだけに、優れた芸術家がす

でにいたことは確かです。