夫婦別姓に反対する政治家や識者の中に、「夫婦別姓にした
ら日本古来の伝統が壊れる」などと言っている人がいますね。
「日本古来」という言葉が出て来るのが、あまりに無知です。
源頼朝と北条政子が、夫婦です。室町時代に入っても、足利
義政と日野富子が、夫婦ですね。
清少納言の夫は、最初が橘則長で2人目が藤原棟世です。そ
れに対して清少納言自身の本名は生涯「清原諾(なぎ)子」で
した。紫式部は夫と同じ藤原姓ですが、それは夫婦共に生家
が藤原姓だったからです。平清盛の正妻は平時子ですが、こ
ちらも同様です。公家平氏と武家平氏の政略結婚でして、平時
子は産まれた時から平時子でした。
日本古来の伝統は、夫婦制度ではなく、「家制度」です。女性も
嫁ぎ先の家よりも実家が大事。だから嫁いでも、生家の姓は大
事にしたわけです。
北条政子が最後まで大事に守り抜いたのは、一番に鎌倉幕府
で、その次が「北条家」でした。彼女の類まれな政治家としての
能力が、北条家を繁栄させて鎌倉幕府を強大化するという結果
を導きました。
それらのことが良い悪いは別な話として、「日本古来」の伝統は、
「夫婦別姓」なのでした。
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