天下分け目と言われながら１日にして終わった関ヶ原の戦い
ですが、勝った東軍の将である徳川家康は表向きには作戦
ミスをしたことになっています。
東軍の主力は家康の三男・徳川秀忠の大軍になる予定でし
た。秀吉は秀忠に、徳川方の主力兵３万８千を預けました。
合戦が始まれば自分の手元にいる６千と合わせて４万４千の
大軍で戦うはずだったのです。
しかし秀忠軍は関ヶ原に向かう最中に上田城の真田氏に手
を出したために遅参し、関ヶ原の戦いに間に合わないという
失態をやらかしたことになっています。このことが、秀忠の失
態であると同時に綿密な打ち合わせをしなかった家康のミス
という風になっているのです。表向きは。
ですが実際は、家康と秀忠はかなり綿密で奥深い打ち合わせ
をしていたようなのです。何故なら、この秀忠の遅参がわざと
だったという見方が、確実視されるからです。
関ヶ原の戦いで東軍に就いた武将たちの顔ぶれが、福島正則、
黒田長政、加藤嘉明、細川忠興、浅野行長など、かなりの豪華
メンバーなのです。有力武将たちが石田三成憎しで、東軍に集
結しているわけです。徳川の主力を投入しなくても、充分勝てる。
家康はそう読んだと思われます。
むしろ彼ら有力武将たちが活躍することで皆気分が良くなると同
時に、いずれの軍も戦で兵を減らし、痛手は被ります。逆に徳川
主力軍は、無傷で済みます。戦力を、減らしません。
つまり、表向き作戦ミスと失態に見える秀忠遅参こそが、実は入
念な作戦だったのです。秀忠は武将たちの前で家康に叱られて
いますが、これは「やらせ」でしょう。秀忠が後に家康の後継者と
して２代目将軍になったのは、周知の事実です。
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