戦国時代の戦には、色々な陣形が手段として用いられました。
その中でポピュラーでしかも効果をよく発揮したものに、V字型
及びY字型の陣形があります。
当時は恐らくアルファベットというのが日本人になじみのないも
のだったため、「鶴翼陣形」という呼ばれ方をしていました。Vの
形は、鶴が翼を広げた形に見えたのですね。
しかし形としては、兵士たちがVの字となって配列される陣形そ
のものです。
Vの字のへこんだ部分、いわば中心部分に、大将がいます。一
見大将を攻めやすく見えるため、敵が攻めて来ることが多く、そ
こを翼のように広がった軍勢が、挟み撃ちにして殲滅させるので
す。
ただし中心にいる軍勢が両側の軍勢の挟み撃ちが成功するまで
持ちこたえる必要があるので、難易度もあります。
そこでその難易度を克服するため、中央部分を厚くする場合があ
ります。つまり、Vの字ではなく、Yの字になるのです。このYの字型
陣形も、よく用いられました。