かつて大河ドラマなどでは源義経は常に「イケメン」として
扱われていましたが、それは『義経記』を基にしたもので
す。
同書は義経を英雄視したものなのでそういう解釈になるの
は当然でもあるのですが、一方で『平家物語』には「背が低
く出っ歯」だったとあり、さらに「猿のような顔」と揶揄されて
いる資料もあります。
というわけで「義経=美男子」説はかなり揺らいでいるので
すが、同時に弁慶に関する考察も、大きく変わっております。
実は弁慶に関しては資料に乏しく、果たして実在の人物かど
うかも疑われてきました。乏しい資料の中でも出てくるのは、
「学者肌の高僧」であったりで、武術より作戦参謀として義経
に仕えたという話ばかりです。歌舞伎や謡曲で描かれる荒々
しいイメージとは程遠いようです。
さらに最近で根強く浮かび上がっている説としては、弁慶は熊
野の別当と二位大納言の美しい娘の間に生まれて彼自身も
かなりの美男子だったであろうというものです。
出っ歯で猿顔の義経と絶世の美男子の弁慶。もしそうだとすれ
ば、それはそれで面白いですがね。