「本能寺の変」とは関係ない織田信長と明智光秀の味のあるやりとり。 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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稲葉家の家臣で斉藤内蔵助という男が、脱走して明智光秀の

ところへ駆け込みました。要するに、裏切りです。


稲葉側は光秀に、「斉藤を返してくれ」と言いますが、光秀は返

そうとしません。


稲葉家は怒って光秀の主人である織田信長にこのことを、訴え

ました。


信長は光秀を呼んで、「斉藤を返してやれ」と言います。光秀は

それに対して、「斉藤の意志に任せます」と答え、斉藤に再び訊

ねました。斉藤は、「帰りたくありません」と答えました。


明智光秀はその意志を尊重し、織田信長にそのことを話します。

信長は、承知しませんでした。そして、叱りつけます。


「何のためにお前に高い給与を出しているのだ?こういう時に主

人の言うことをきけ」


しかし明智光秀は、平然と言い返しました。


「私は確かに高い給与をいただいておりますが、斉藤内蔵助のよ

うな名のある武士にほとんど注いでおります。あなたから頂戴す

る給与は、良い人材を集めるための費用であります」


織田信長も、「なるほど」と、返す言葉を失ったということでした。


尚、この件は、明智光秀の謀叛とされる「本能寺の変」とは全く、

関係がありません。信長はそもそも光秀の謀叛を予期していなかっ

たのだし、光秀にしても、この時は意志が通ったのだから、反抗す

る理由がありません。


恐らく「本能寺の変」にはもっと別な深い事情があり、光秀は信長

を恨んで謀叛を起こしたのではないでしょう。しかも光秀は単なる

実行犯で首謀者は他にいること、そして光秀は後に天海僧正とし

て生き延びていることなどが、最近では異説ではなくなりつつあり

ます。


この2人のやりとりを見ると、明智光秀は結構織田信長に対して

も意志を通していて、信長も光秀を押さえつけてはいません。つ

まり、今までドラマなどで紹介されていたような2人の関係ではな

かったことが、窺えます。そうなるとよけいに上のかつて異説とさ

れたきた「光秀単なる実行犯、別に黒幕」説が、真実味を帯びて

感じられてきます。