平和な江戸時代にも残っていた武士の護身の作法。 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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武士にはいくつか作法がありまして、その多くは不意の攻撃から身を守るためのものでした。


この内いくつかは、戦のない平和な江戸時代になっても残っておりました。戦はなくても、皆刀を持っていたのですから、暗殺の恐れは多分にあったのです。

まず、代表的なものとしては、襖の開け方です。襖を開ける時は、その襖の動きに合わせて自分の体も必ず横に移動させます。


これは勿論、向こう側にいる相手に姿を見せないためです。いきなりの攻撃に、備えるのです。


また、畳の縁(へり)を踏まない。畳の縁の上に座らない。この2つも、重要な作法でした。


これは、床下からの攻撃に備えるためです。畳の縁の会わせ目は、槍の刃先が通りやすいので、そこに体を乗せていたら、ひとたまりもありません。


といった作法は、もう無意識に体に染み付いておりました。ですから、浪人が屋敷に就職の面接に行った際、これらが守られていなかったら、どんなに剣術や学問が優れていても、アウトでした。まず、守られていないことはなかったでしょうが。


今でも、畳の縁に座るなは言われることもありますが、武士の護身の作法から来ていることは、あまり知られていないと思われます。