最近、若い人を中心に、「楽しむ」という言葉がよく使われます。
たとえば、プロ野球選手が野球を楽しむ、俳優が芝居を楽しむ。
他にも、勉強を楽しむとか仕事を楽しむという言い回しが、増えて
います。
それに対し、年配の人が、「神聖な仕事を楽しむなんて不謹慎」な
どというケースがちょっと前まではありましたが、最近は少ないで
すね。それで、良いのです。何故なら、批判する方が、間違ってい
るからです。
「楽しむ」の意味を、だらけるとか浮かれて騒ぐとか、つらいことから
逃げるということだと考えるのは、大きな間違いですから。
「楽しむ」ということは、「五感を醒まして味わう」ということを言うそう
です。良いことがあったらはしゃいで、思うように行かなかったら落ち
こんでという繰り返しでは、逆にプレッシャーや逆境に弱い人間にな
ってしまうといいます。
それより、苦しいとかきつい、難しいと言われるものでも、その状況
を受け止め、苦しいと感じずに味わってしまう。それが一番効果的で、
しかもそれを実践することを、「楽しむ」というのです。
「楽しむ」という行為は、「辛さと戦って勝つ」よりも奥深く、効果的な
のです。