「おきゃん」も「きんぴら」も似合う大女優 | 山科薫マニアックな世界を楽しみましょう

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昨日紹介いたしました「きんぴら女」と並んで、気の強い女を表す

言葉に、「おきゃん」があります。もっともこれは、きんぴらのように

広い意味で使うのでなく、女を表すのみですが。


私はこのおきゃんという言葉、向こうっ気が強いといえば強いけれ

ど、むしろやかましいといった意味にとらえていました。もっといえ

ば、お節介な一面もあるような。


実は違うようでして、そういうのは、「おちゃっぴい」と呼んでいたそ

うです。「おきゃん」は、それの一段位を上げた意味で、大人の貫録

も備えた女のことだったのです。


漢字で書くと、「御侠」です。いわば任侠路線。侠気という言葉は、

「きょうき」だけでなく、「おとこぎ」と読んだりします。こういうのを備え

た女性を、おきゃんと呼ぶのです。


意味としては、仁義と勇気を重んじ、弱きを助け、強気を挫く気風

のことです。勇気も腕も兼ね備えている。そして一方、おっちょこちょ

いな一面も備えていて、たまに愉快な失敗もする。憎めない性格

でもある。


江戸の男たちは、こういう気風が大好きで、「おきゃん」と呼ぶのは、

最高のエール。女にとっても、呼ばれるのは栄誉だったはずです。


この「おきゃん」になりそこねて、おっちょこちょいばかりが先だった

女、そういうのは、後で厄介ごとが自分に跳ね返ってくるので、その

ものズバリ、「跳ねっ返り」と呼ばれていました。今も言いますね。


今は「おきゃん」と「跳ねっ返り」を同じ意味に捉えている人も多いか

もしれませんが、違います。路線は一緒で、格が横綱と幕下の違い

といったところでしょうか。


ところで、美しくて、アクションが抜群にできて、三枚目もできて、それ

こそきんぴらもおきゃんも似合いそうな水野美紀さんという女優さん。


「踊る大捜査線」の映画版に出ていなくてはいけない設定なのに、バー

ニングからの独立の際、ドンを怒らせたのでストップがかかった。監督

及び織田雄二さんを含めたキャストスタッフが「そこを何とか」と頼んで、

声の出演のみ許された。なんて話を目と耳にしました。


本来なら、ドンに彼女のような逆らい方をすると、芸能界で生きていけな

くなるのが相場だとか。それにしては、露出が減ったものの、結構活躍

しているような。今回の声の出演も、「あのドンがよく許した」と評判が

たっているそう。


潰しきれないほどに、水野美紀さんの器が凄い、ドンも、抹消してしまう

のは、大きな意味で勿体ないと思っている。更には、金で揉めての独立

でないのが救い。色々考えられます。


いずれにしても、はっきり言えることが、ひとつあります。水野美紀さん

という女優さん、ハリウッドスターたちなんか問題じゃないくらいのスケール

を持った、ものすごい器の女優さんです。ひょっとしたら、芸能界だけでな

く、日本の文化や社会全体を救うかもしれないくらいの女優さんです。


この世に、例外のないものは、ありません。ドンの方も、彼女のみ例外

と認めて、露出を増やすことを許してはどうでしょうか。

一応私も芸能人のはしくれなので、あれこれ言い過ぎると今後に支障が

出かねませんが、お国のためにあえて言いました。