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私が昔野球少年だったことはすでに述べましたが、オッサンに

なってからも、20年以上草野球を続けていました。しかも毎年

30試合近く。野球の合間に仕事をしてる、なんて年もありまし

たね。


優雅だなって?優雅じゃないのにそんなことやってたから、多額

の借金抱えたりしたんだよ。


まあその話はいずれするとして、私がかつてはまったのが、遊撃

の守備。これを上達したくて、よく神宮とかに、アマチュア野球

の観戦にいきました。勉強のために。

プロは、見ても勉強になりません。レベルが高過ぎるし、皆それ

ぞれ独自のスタイルを持っていますから、我々草野球レベルが

真似をしたら、却って下手になります。


勉強するなら、上手な高校生とか大学生を観察するのが効果的

です。ということで、ひんぱんに球場に足を運んでいた時期があ

りました。


そして1992年秋の明治神宮大会高校の部。金沢高校VS岡山

南高校の試合を私は観戦していました。金沢高校の遊撃手の肩

が素晴らしい。三遊間の深いゴロを、それこそ矢のような送球で

刺していました。


しかし体が小さくて、打順トップの打撃は堅実だけどやや非力。足

もそこそこって感じで、守備以外は超高校級というほどではなく、

将来プロでやる選手ではないと見ていました。


試合は彼のいる金沢高校がコールド勝ち。終了後、同校の選手達

が、スタンドに引き上げてきました。次の試合の観戦です。快勝の

余韻でしょうか。全体がはしゃぎ気味。まあ、それが普通でしょう。


ところが一人だけ、その輪に加わらない子がいました。あの遊撃の

子です。彼だけは、じっと食い入るようにグラウンド見ています。し

かもその視線を追うと、単に試合の動向やボールの行方を追って

いるのではありません。


野手のポジショニング、打者の構えなどを観察しながら、色々シュ

ミレーションしているのがわかるのです。私は途中から、試合そっ

ちのけで、彼の様子の方に注目してしまいました。彼の視線の先

を私もみて、彼の考えていることを予想してみる。その方が、はる

かに勉強になったからです。


そして私は、思わず見方を変えました。

”この子は、将来きっとプロで活躍する。高卒即プロはないだろう

が、大学か社会人で鍛えて体を大人にした後、プロで渋い働きを

できる選手になるに違いない”

そう確信したのです。


野球に取り組む姿勢がプロ級です。


帰り際、金沢高校の部長先生とトイレで隣り合わせたので、

知り合いでもないのに声をかけちゃいました。

「あのショートの子、素晴らしいですね」すると先生(ちなみに現監督

の浅井純哉先生)も目を輝かせてうなずかれました。


その子の名前は、高須洋介。青学大を経てプロ入り。現在東北楽天

イーグルスの中心選手として活躍。昨日6日も3番打者として2安打

しています。地味だけどとても味のあるプレーで楽しませてくれます。


私は彼の活躍が嬉しく、そして心の中で秘かに誇らしく思いながら、

見守っています。