残暑が厳しいこの夏ですが、皆様どうお過ごしでしょうか?
今回は、「子供から親へ相続対策をお願いする方法」をご紹介します。
たとえどんなに仲のいい親子であっても、いざ相続となると
なかなか話が切り出しづらいものですよね。
子供さんから「お父さんの遺産って何があるの?」だなんて聞いた日には、
「お前、俺の財産を狙ってんのか!?」「俺が死ぬのを待ってるのか!?」
と喧嘩になること間違いなしです。
それだけ相続というモノはデリケート。
しかしながら、生前のうちに相続対策を行うことが大切だということは
このチャンネルをご覧になっている皆様なら重々お分かりでしょう。
では、どのようにお願いすると円滑に、なおかつお互いに
満足できる相続対策が可能になるのでしょうか?
動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/mTDv1MDcn8g
■上手に話を切り出すには
80歳の両親をもつ50歳の息子が、自分の親の相続対策を考えたとしましょう。
その時、このように切り出すことをおススメします。
「自分も50歳になったし、お父さんとお母さんの人生について聞いておきたい」
「うちの○○家についても、もっと知っておきたい」
波風を立てることのない言い方ですよね。
それに、実の息子からこんなお願いをされて嫌がる親はいないと思います。
そして、このように続けてください。
「だから、このノートを一緒に書いてくれないかな?」と。
その際に使うのが、いわゆる「エンディングノート」と言われるものです。
自分の生い立ちや送ってきた人生、家族構成などを記録できるので、
相続の際、非常に重宝します。
ノートの中には、万一の際に知らせて欲しい人を書き込む欄や、
どのような医療・葬儀を望むか等、実に様々な種類があるので
ぜひお好きなものを選択してみてください。
今回は相続診断協会が使用している「笑顔相続ノート」を元に、
エンディングノートの書き方をご紹介していきます。
■重要なのは「聞き方」
エンディングノートには必ず、自己紹介(プロフィール)を書き込む部分があります。
ぜひ、自分の名前の由来を書き込んでみてください。
出来れば、ご両親の名前の由来もです。
ひとつの話のとっかかりにもなりますし、
グッと、エンディングノートに対する親和性が増します。
次に家系図です。
ご両親と一緒に、自分の家族の家系図を探ってみてください。
自分の祖父母の上の代や、父方・母方の親族など
新たなつながりや発見があるものです。
家系図を書くと、自分の家族についての理解も深まりますし
これからのことも考えやすくなります。
それに、エンディングノートには学生時代のことを書き込む欄が
あるものが多いです。その際、ご両親と一緒に考えて書き込むようにしてください。
例えば、「お父さんお母さんの小学校時代はどうだったの?」や、
あるいは「小学校のときこんなこと言われたんだけど覚えてる?」などです。
会話が弾みますし、知らないエピソードが明らかになることが多々あります。
様々な項目がある中でも、一番時間を割いてほしいのは
「社会人時代について」というページです。
どんな思いで仕事を始めたのか。
どんな苦労を重ねながら、人生を歩んできたのか。
ご両親はどのようなご縁で、結婚したのか。
そしてその時、どんな気持ちでいたのか。
こんな話を進めていくうちに、ご両親の人生のターニングポイントが
見えてくるはずです。ここにじっくり時間をとってみてください。
このように、エンディングノートを書きながら
豊かな時間を使うことで分かることがあります。
それは、ご両親が送ってきた苦労や、今の思いです。
ここを共有することで、
「こんな思いをして築き上げてきた財産なんだから、
僕たちがしっかり守っていかなきゃならないね」といったように繋げることができます。
そう、これで自然に相続対策の話に踏み込むことができるのです。
ここまで話を重ねた時のご両親であれば、
自然と「うちの財産はこれがあって」「あの財産はお前に引き継ぎたい」と
自分からお話してくださるはずです。
家族が争わないためにと、遺言書をしたためてくれるかもしれません。
■相続対策だけではない大事な時間
いかがでしたでしょうか?
子供から親へ相続対策をお願いする際に大切なのは、直接保有している
財産を聞かないこと。
そして、一緒に様々な話をしながらエンディングノートを書くことです。
家族みんな笑顔で相続対策を考えることが出来る上に、
様々な会話を通じて豊かな時間が得られるはずです。
ぜひ実践してみてくださいね。