「有り難し思いのままにホトトギス」
5月5日69歳で永眠された石垣エンジニアリング株式会社岡部英雄社長の奥様にあてた辞世の句です。
生命保険会社からのご紹介で、初めて岡部社長にお会いしたのは2005年でした。
山梨県の四方津駅から、車で15分ほど山を登った石垣エンジニアリング株式会社は、スイスをイメージして作られたそうです。
敷地内にはゴミ一つなく、すれ違う社員の方は礼儀正しく、初めて訪れた方は誰でも素晴らしい会社だとわかります。
会議室に通され、岡部社長と対面しました。
「25年かかって、90%思い通りの会社が出来ました。
今後10年先を見据えて、事業承継を相談できる一流の会計事務所を探しています。
スモール・イズ・ビューティフル・メリー・カンパニー
小さくても世界に通用するハイレベルな会社です。
これ以上会社を大きくするつもりはありません。」
その後、会社の概要をお聞きし、私の人となりを1時間ほど質問を受けました。
お互いに真剣を持ち、向き合う、一瞬の油断も許されないそんな1時間でした。
そんなやり取りが3回ほど続き、岡部社長から認めていただき、顧問契約をさせていただく事となりました。
毎月、山梨の会社にお伺いし、社長の考えをお聞きし、経営のノウハウをたくさん教えていただきました。
「私の会社は、一流の人間が来てくれるわけではない。
だから、日本語から教えないといけない。」
そんな事を仰いながら、社員の方の日報や読書感想文に嬉しそうに赤ペンで感想を書いていらっしゃいました。
松下幸之助さんや稲盛和夫さんの書籍の読み合わせなどの勉強会もさかんに行われていました。
岡部社長は、社員の成長が何よりも嬉しいようで、まるで学校の先生のようでした。
初めてお会いしてから10年で、会社は益々成長され、現在は大学の新卒を採用される様になっています。
2年ほど前に手術をされ、それから体調がすぐれない日が続いていたようです。
4月22日に入院中の病院に呼ばれ、2時間ほど今後の会社についての話を伺いました。
「中小企業にとって、会計事務所は命綱です。
HOPさんと出会えて本当に良かった。」
と身に余る言葉をいただきました。
仕事の話しをされる岡部社長は、まだまだ元気でまさかこんなに早いお別れが来るとは思いもよりませんでした。
私にとっては、経営の師であり、父のようでもあり、本当に厳しく優しい社長でした。
岡部社長、本当にありがとうございました。
次は、私が社長の大切な社員や家族をお守りします。
安らかにお休みください。
合掌
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