会社の後輩のお話。
彼は3年前まではニートでした。
高校を卒業後、特に何もせず、たまにアルバイトをやってたようですが、長続きせず、後輩が25歳の時に、彼の母親が付き合いのあった うちの社長に頼み込む形で、とりあえず就職。
正直、もやしのような細い後輩を見て、(肉体労働やし無理やろなぁ…)と思ってました。
体力うんぬんの前に、図面も読めませんしね。とりあえず出来ることと言えば、現場で荷物を運ばせることと、溶接を終えた鉄材をグラインダという機械で後処理させるくらい。
たったそれだけでも、フラフラで死にそうな顔してるし…
案の定、何度も逃げ出そうとしたのですが、その度に家まで押しかけて「逃げるな!」と連れ出したりしました。
言葉づかいも分かっておらず、管理人に「は? それで?」とか言うので、突き飛ばし、蹴り飛ばし。まさに体に覚えさせました。
半年の間は、湿布の匂いをプンプンさせながら働き続け、湿布の匂いがなくなる頃には、ようやく身体つきも一般人レベルにはなってました。
どうにか こうにか仕事についてこれるようになった頃。
出勤時の後輩の私服を見て、(どっかで見たコーディネート…)と思って、数日 よく観察してると、管理人の服装の完コピやったことがあり、ゾッとさせられたもんです。
そう言えば、最初の頃は首もとがダルダルになったシャツをいつも着てて、(服装に無頓着なんかな?)というのが第一印象でした。
話を聞くと、初任給は母親にプレゼントを買い、次に自分の服を買おうと思い、管理人を参考にしたんだそうな。
(陰気な奴かと思ってたけど、ええとこあるやん。それに懐いてくれてるんかな…)と思ったもんです。
早いもので、あれから3年が経ち、もやし男がアスパラガスくらいには逞しくなりました。
今年の春に、そんな彼から「結婚するんです!」の報告。
後輩は28歳。お相手は一回り上の40歳。
聞けば、小学校からのご近所さんで、昔から憧れてたお姉さんだそう。
このお姉さん。一度、結婚されてるんですが、結婚後に病気で子宮を摘出されたのでお子様を望めない。驚いた事に、それを理由に離婚を言い渡されたそうな…
実家に帰ってきたお姉さんに、昔からの想いを伝え、この度の祝い事に繋がったようで。
「実は僕も、幼稚園の頃にインフルエンザの高熱で影響で、子種がないんですよ。
子供を望めない僕らですから、二人で一緒にいれる幸せを満喫します! とりあえず犬を飼っちゃいました」
先輩風を吹かすようですが、一人前になったんやなぁ… と感慨無量。
結婚式はしないようですが、「内祝いを返したら絶交!」と言って、ご祝儀だけは包ませていただきましょう。
「ついに童貞すてちゃいました
」
」と、はにかむ彼に、言葉を失いましたが、幸せの形は人それぞれ。
とにかく、おめでとう。

