美しい静かな田舎暮らしを考えて
別荘地で中古物件を買い、車なしで暮らす、地球にやさしい生活の軌跡。
十里木での生活で2年目を迎え、今思うこと-環境と住まいについて実直な感想を
去年の同じ日、8月2日に十里木 [ じゅうりぎ ] に移り住んで、一年が経った。
慌ただしい日々の流れに乗せられて、流された来たかのような今日にいるのだけど、ここで少し足を止めて、振り返る。
[1/5]・・ネット環境がある故に成り立つ田舎暮らし
[2/5]・・人生のグランドラインを実現させる願い方
[3/5]・・そこに見出す自然の「普通」の美しさ
からの続き。
詩的で、「何気ない普通に美しい自然」に触れて、残りの人生を過ごすことができると感じた思いが、凝縮して物質化したかのような十里木で、住まいを見出した僕たちなのだけど、1年を過ごしての僕の実直な感想を。
まず妻の仕事の関係で、妻と離れた暮らす生活になるとは思っていなかった。。。
宝くじ的中率ほどの可能性も考えてなかった、まさかの別居生活。。。
それから、落ち葉についてだけど、夏に引っ越し秋を迎え、すぐに落ち葉の季節が来たので、どうして一回の季節でこれだけ降りしきって、落ち葉で建物が埋まってしまわないのだろうというぐらい、落ち葉が積もった。
おかげで季節感を味わえる、落ち葉掃除はたっぷり出来た。
秋を迎える前に、落ち葉掃除が面倒なんだろうなという予想はしていたけど、葉の落ちる時期が集中していることもあり、思ったより、たいへんではなかった。
秋の向こうにのぞく冬の薫りが、子供の頃以来、忘れていた感覚を連れて来たけど、僕の場合、家のメンテナンスと高原特有の早く進む季節の迫りくる寒さの対応に追いまくられて、ちっとも優雅に季節感を味わいながら別荘地の時間を楽しむという余裕がなかったのは残念だった。
植生については、僕の偏見で、田舎の印象を強める「カヤ/萱」という、あのシュッとして、触り方次第で手の切れる植物がやたら生えていることを覚悟していたのだけど、一本も生えていなかった。
僕にとって、自然の持つ野暮ったさ、田舎の印象そのままの草なので、見栄えを考えて、常に引き抜いて、敷地の美観を維持しなければならないのは、たいへんだろうなと考えていので、これは肩すかしのような嬉しい予想外だった。
虫については、ゴールデンウィーク頃から盛夏までは、蚊・・・ヒトスジシマカが多く、それは意外だった。
僕だけかもしれないけど、蚊という生き物は、人の多い住宅地だけの虫と思っていたので。
虫といえば、最大のインパクトのあるやつがいて、それは、大きく、すばやく目の前を横切る蜘蛛・・・多分、アシダカグモだ。
別荘使いで、ほとんど使われていなかった、人気の少ないわが家に引っ越した当初は、あちこちで見つける度に、最終的には100匹近く捉まえては丁重に外に逃がしたものだった。
大きなものだと足を含めて10cm程度になる、まがまがしい印象のクモなのだけど、調べてみると、益虫だった。
毒がない、噛まない、刺さない、害虫を食べてくれる、巣を屋内につくらないと、見た目の印象を裏切る、いいところばっかりを持つ生き物だった。
いまだに見た目は慣れないけど、今ではすっかり住まいのセキュリティ担当だ。
引越しした当初、全部、外へ逃がしたので、今はドアを開けた隙に入り込んだやつを、屋内ではたまに捉まえる程度だ。
寒さについては、僕の場合、平地の住宅街から、いきなり標高900mの高原へ生活を移したのだから、冬はびっくりするぐらい寒かった。
おかげで冬は住いからほとんど出られずにいたけど、窓辺から、現地の人が普通にリフォーム作業や掃除をご近所でしている姿を見て驚きもし、自身の寒がりに情けない思いもした。
そんな僕なのに、一冬、しっかり十里木の素の寒さを感じてみたいと思い、備え付けのセントラルヒーティングを使わずに過ごしてみた。
おかげで、身体の芯から、その寒さを体感することができて、少なからず後悔もたっぷり味わうこととなった。。。
しかし「十里木の冬」を体感して過ごすという馬鹿げたことをしたことで、身体が少し十里木の気温に同調できるようになった・・・と思う。
寒さで緊張した身体をゆったりとくつろがせることができるスペースがないのは、あまりにもきついため、一部屋だけ、しっかり暖を確保して過ごしたけど、まぁ、このような越冬は、お薦めはできない。
暖房の入れていない部屋の床で、そのまま寝転んで過ごすことがあるとするなら、確実に死ねる冷たさがあると感じた。
それでも、十里木の寒さは、東北や北海道では、ありふれた寒さ・冷たさレベルではあるのだろう。
平地の住宅街暮らしになれた僕にとって、浴室の水道蛇口を凍結させてしまい、2度つららが生えるのを見た十里木の寒さの環境下では、新鮮に季節感を優雅に味わえる気持ちには成れなかった。。。
十里木に引っ越す前の冬のファッションは、あくまでおしゃれであったけれども、十里木の冬では、すぐに生命維持に必須の防寒用品となった。
それまでデザインのみを意識して、気にもしなかった、各ブランドやメーカーの保温能力とか生地素材などに、しっかり注目するようになった。
住いと敷地のメンテナンスやリフォームについては、通常の人なら、すぐに家具を入れ揃えて、別荘生活開始ということがほとんどだと思うけど、僕は僕の描く生活の眺めというものがあるので、僕が考えるメンテナンスとリフォームを済ませてから、順次、家具を入れてスペースを整えていくという流れが、自然と頭の中で出来上がってしまっている。
1年経って進捗はどうなっているかと言うと、屋内はメンテナンスを3スペース終えて、リフォームはまったく出来ていない・・・。
敷地は、西側から北側にかけて、整地作業の途中といったところで、・・・右腕を痛めているしまっている。。。
手掛けたところは、文句なしに満足しているのだけど、1年の進捗としては、・・・情けない限り。。。
丁寧で、学びながら工具とメンテナンス用品をしっかり準備してということが、遅々として進まないことの言い訳になっているのだけど、
・・・点数を付けるなら、100点満点中・・・5点。。。