美しい静かな田舎暮らしを考えて
別荘地で中古物件を買い、車なしで暮らす、地球にやさしい生活の軌跡。
それはそれはのどかなある日、ウッドデッキを我が物顔でくつろぐ野良猫キリが10日ぶりに姿を現した。。。。
十里木は、木漏れ日が美しい、典型的な晴天といったのどかな一日だった。
以前から、キッチンに立っていると、窓ガラス越しに、一日に何度も通り過ぎていたのを目にしていた野良猫が、最近、姿を目にしなくなっていたのだけど、今日、南側の窓辺から、外を眺めていると、ウッドデッキの木陰で、勝手にくつろいでいた。
隣のお宅のお手伝いさんとも、この猫について話したことがあるのだけど、お隣の飼い猫でもなく、やっぱり野良猫のようだ。
ゴールデンウィークあたりの頃からだろうか。
わが家の敷地入口から、玄関アプローチを通り、西方面の斜面を這い上り、杉の切り株の上で、じっとあたりをうかがうという、お決まりになっていた生態を眺めてきた。
面白いように、一日、何度も決まったところを通り、そして、切り株の上でくつろぐので、妻が名付けた「キリ」という名前が、すっかり僕たち夫婦の間で通称になっていた。
この10日というものの、その置きまりのコースに全く姿を現さなくなっていたので、心配していたのだけど、体つきもふっくらして、すこし貫禄も感じさせる姿を、わが家のウッドデッキで久しぶりに見たというわけだ。
見ていると、わが家のシンボルツリーのモミの木が、やさしく落すくつろぎやすそうな木陰の中で、気持ちよさそうに居眠りを始めた。。。
木々の葉がさざめくように揺れて、高原の十里木環境もすっかり暖かくなり、のどかな印象の気配に満ち満ちている。
僕たち人間にとってそうであっても、厳しい野生環境の中で、一日一日を生き延びているであろう野良猫キリは、それでもさすがに、この快適な気持ちよさに包まれて、まるでこたつでくつろぐ家猫のように見えた。
窓ガラス越しで、2mぐらい離れていると、キリは僕に気が付いても、逃げない。
僕という人間が怖いというよりは、キリからすると、単純に四捨五入して2mにもなる高さの生き物に驚き、警戒しているといった感じ。
多分、餌付けすれば、なつくとは思うけど、ペットにできないのに、中途半端な愛情をかけるのはよくないと思い、我慢をして、つきあいには一線(?!)を引いている。
こんな、のどかな美しい昼下がり、窓ガラスを経て同じ環境で生活している僕とキリであっても、きっと当たり前のように、その日その日を厳しい生活環境に生きているキリ。。。。
なかなか、のんびりくつろぐ時間は、人より短い一生を送る猫にとって、貴重な時間だろうと思い、邪魔しないように窓辺から離れようとした。
そうっと窓辺から離れたつもりだったけど・・・。
僕に気が付いて、・・・・睨まれた。
またね、キリ。ゆっくり、おくつろぎ。。。