皆様お元気しょうか

今回は

医学部専門予備校シリーズ最後となります

兄が浪人時代に通わせていただいた

③ぼろぼろ医専Gについて

先日投稿させていただいたつづきです

 

まあ君のいる関東で

浪人でお世話になるいい塾がないか探すため

新大阪から飛び乗った新幹線から、在来線乗り継ぎ

最寄り駅から10分ほど歩いたところに

ぼろぼろ医専Gがありました

 

Google MAP頼りに、たどりついた

黒くすすけたコンクリートの怪しげな建物を見上げ

兄と2人で顔をみあわせました

兄はボソッと呟き

すげえボロいな、、、、

 

こちらの塾長は

今までのお会いした

ビシッと高級スーツきた清潔感あふれる医専スタッフとはうって変わり

無愛想な場末ヤクザ、、といった面持ち

動物に例えるなら痩せこけたハイエナ風

ヨレヨレワイシャツとズボンに、ささくれたスリッパ

お世辞にもよそ行きとは言いがたい、ラフな格好でした

 

通された部屋、、というより教室の隅っこしきった空間

椅子は、よく体育館で座る錆びたパイプ椅子

こっちです!と元気よく案内してくれた可愛い女子は

秘書さんではなく、後に生徒さんであったことが判明

外見だけでなく中の様子も

経営大丈夫なんか??ここ、、と不安になるぐらいのボロさ

 

説明は、約束通りぴったり30分間

1分でも惜しいと言わんばかりに

少しヤニ臭い無愛想なヤクザ塾長は

座るなり

ぱぱっとコピーした資料を渡して

ものすごい早口でシステムを説明されました

いままの医専で受けてきた

VIP系の扱いとうってかわって、説明時間もあっという間

ほんまに入って欲しいんかいな、、と思うほどそっけなく

媚びる感ゼロ

すぐ次の授業に入られました

他の医専や塾ではいつも

綺麗なカラー刷り、写真入りパンフレットばかりだったので

コピー紙をホッチキスでとめただけの白黒説明書にびっくり

色んな意味で、今までとかなり対照的でありました

 

一回の体験授業ができたので

兄が塾長の授業を受けている間

わたくしは何の接待もなく完全放置

ぽつんと教室片隅に1人、、

教室ぐるりと見廻すと

何故だか塾長集めた本が(勉強以外の小説がほとんどでした)

壁をうめる本棚にぎっしり並んでまるで図書館

兄が勉強合間に読む本にも困らないかも

見上げると

黄ばんだ天井には、笑った顔のようなシミが広がり

ボロい空間なんですが

元々貧乏人サラリーマンの子供、小汚い家で育ったわたくしは

むしろじんわりと

居心地よく感じてきて

なんか、ここ、、ボロいけど、、

もしかして、、、いいかもしれない、、

と思ったのです(ビビッときたというやつです)

 

ぼろぼろ医専のシステムは

授業の数もレベルも全て自分でチョイスする、選択性で

不得意な1教科だけでも、全教科でもオッケー

そして生徒は全員

24時間!使える自分の固定自習室机(ボロい)もらえて

勉強道具を置きっ放しにできました

 

授業料は医専としては、超格安

しかも月払いなので

途中で関西に帰るかもしれない、うちにはありがたく

(もんた塾長には途中で根を上げて帰るに決まってますよ、と言われていました)

結局、兄は社会以外、全教科授業選択しましたが

1年でかかった金額は

季節講習合わせて、およそ120万程度でした

どれだけの数の授業とるかは自由なため

お金のない再受験生で1科目のみ選択、年間30万!の人もいたそうで

通常の医専浪人生の年間授業料が

500万〜上限不明、所により1千万以上であること考えると

いかにお安いかおわかりかと思います

大手予備校でも季節講習いれたら今は年間100万弱ぐらいでしょうか

大手塾と同額程度で

固定の自習室机もらえることを考えると、すごくお得でした

とうのも

塾長が、ボッタクリ高額医専に疑問を感じ

反発して立ち上げられたそうで

まあよく考えたら

綺麗なビルや机、キラキラのパンフレット

美人秘書や担当チューターまで揃えようと思ったら

それだけ生徒の授業料をあげる必要があり

それらを、余計なものとして全てカットしている印象でした

 

あと生徒さんの合格していた大学が

地方国公立医学部や中堅私立医学部で

大手塾でみる宣伝広告党の

旧帝大医学部の華々しい成績の生徒さんは1人もおられず

兄のレベルと同程度、、のお子さんが多いように思いました

 

一番、今までお話し聞いた医専と対照的だったのが

毎日、ぎちぎちに授業沢山いれないほうがいい、と言われたこと

結局は授業の予習復習含めた、自習が大事

自習室は24時間、365日!空いているから

授業日以外も、必ず毎日きて自習しろ

いかに効率的に勉強するか、とかウダウダいう前に

とりあえず1日最低12時間は座って勉強やれ、、といわれたのです

 

よく言われていることかもしれませんが

浪人生は(自分もそうでした)

授業コマや季節講習を沢山いれすぎて

イケてる先生の授業聞いてわかったつもりになり

自習時間がとれず

アウトプットされずに失敗していることが多いのでは、、と思っていました

が予備校側からすると

毎日の授業スカスカで、季節講習少なめにすると利益が上がらない

よって

結局、毎日授業ぎっちりで季節講習たっぷりになりがち

 

ぼろぼろ医専には

格安のうわさ聞きつけ、全国から近辺に下宿する

兄のような、親元離れて暮らす子もおられるようでした

 

良い所ばかりあげましたが

欠点として

設備は汚く(兄は耐えきれずトイレや換気扇を自主掃除したことあるそうです、、)

スタッフも少なく、専属チューターもいないため

通常の医専と比べ、サポートが手厚いとは言い難い、というよりほぼゼロ

定期的な親との面談はなく

こちらから連絡しないと、全く連絡もこない(中学受験H学園を思い出しました、、)

自主性が重んじられ

やる気のない子はほっときます、と明言されており

毎年、途中で来なくなってフェードアウトされるお子さんも

パラパラおられるそうで

ただでさえ過食嘔吐の爆弾抱えた

豆腐メンタルの兄でやっていけるか、、は不安ではありました

あと先生方の教え方も決して悪くはないのですが

やはり

大手塾スター選手の先生の方がうまかったそうです

 

そのあと、もう一つ見学した全国展開の医専は

現役時代に最初に行かせていただいた

①キラキラ医専と似たような感じの設備、値段設定で

やはり

ぼろぼろ医専の異色さは際立っていました

 

兄の体験授業が終わる頃には

ぼろぼろ医専でお世話になろう、、、

と私の心は決まっていました

兄の意向が一番大事なので

帰路の新幹線の中で

どうやった??聞いたところ

 

お母さん、オレ、、

まあ君の所で下宿させてほしい

ぼろぼろ医専に行きたい

塾長の授業はよくわかったし

生徒15人ぐらいで、よくあてられて緊張感あった

自習室もトイレも、、すげえボロかったけど

ほのぼの医専のほうが、綺麗でみんな優しくて居心地いいんんやろうけど

オレは見栄っ張りで甘えた人間だやから

あのぐらいの環境の中でやったほうが頑張れると思う

 

わたくしと兄の気持ちが久しぶり?一致したのでした。

 

ぼろぼろ医専は

自習室の席数が埋まると定員締め切りらしく

帰ってすぐその日のうちに、ヤクザ塾長に電話し

兄の浪人先は無事決まりました

 

次の週には

慌ただしく関西の我が家から、関東のまあ君のマンションに引っ越し

さてこの関西から関東への大移動が、吉とでるか凶とでるか

不安と期待渦巻く中、兄の浪人生活が始まりました

 

 

本日はここまで

 

無愛想で最高に素敵だった、ぼろぼろ医専ヤクザ塾長に幸あれ