「GC=ゴールデンコース」とは、最難関の受験パターンとしてよく知られているものを指し、塾講師の間では昔からこのように呼びます。

男子の場合、比較的偏差値が近く、近い地域にある最難関校を指します。

その最たる例がタイトルの「星光、西大和、東大寺」となります。

どこの大手進学塾でも、この3校の偏差値に大きな差は無いでしょう。

しいてあげるならば東大寺が2~3ポイント上になるかと思います。

 

統一日は星光、二日目午後が西大和、三日目が東大寺と、しっかりと受験日のすみ分けが出来ているため、これらの学校を第一志望とする人たちにとっては、あまり迷いのない受験パターンとなります。

と、これは偏差値基準に『十分』達している子たちの場合であって、星光ギリギリラインの子たちにとっては、このGCは危ない受験パターンになります。

危ないというのは、ハッキリ言って「全滅」の危険性があるということです。

 

では、星光ギリギリラインの子たちの場合は、どのようにGCを変化させればいいのでしょうか。

そもそも、上記3校を受ける子たちであっても、安心、保険のためにもう一校はどこか比較的偏差値の少し低い学校を入れるものです。

一番わかりやすいのは、統一日午後の清風や、二日目午前の清風南海でしょうか。

東大寺を勝負出来るレベルの子であれば、これらの受験は十分「おさえ」に成り得ます。

問題は、星光が勝負である子たちの場合です。

この場合、星光よりも高い偏差値基準が出がちな西大和、東大寺と受験をしていくのは、かなり危ないと思われます。

そのため、二日目午後は高槻B、三日目は洛南併願を入れていくのが妥当でしょう。

ここで勘違いをしてはいけないのは、三日目の洛南併願です。

 

洛南『併願』受験というのは、毎年灘中合格者でも、不合格になっている例が散見されます。

洛南併願を入れる目的というのは、専願切り替え制度があるためですね。

第一志望の学校が不合格だった場合、その足で洛南を専願に切り替えることが出来るのですが、そうすると合格ラインが男子の場合、一気に約50点前後も下がります。

(注:年によってバラツキがあり、40点台の時もあれば、50点以上下がる時もあります。)

なので、『併願で合格』をするというのは、相当レベルの高いことです。

偏差値表を出している塾であれば、東大寺よりも洛南併願の方が偏差値を高く出していたりします。

ただ、専願切り替えが出来るため、「保険」の意味あいがあり、灘レベルの子の合格証書コレクト目的ではなく、「勝負」目的で洛南を受験パターンに入れるのはアリです。

成績がもう一つ足りない層にとっては、洛南のような超名門校がそういう対応をしてくれることが、大変有難く大きいことなのです。

 

また近年増えてきている高槻Bの受験です。

男子では、灘受験者層でも、一定数の高槻B受験者がいます。

これは「安心」を目的としているためと思われます。

でも、灘受験者であれば、そのまま西大和や東大寺で良いじゃないか?と思われるでしょう。

これには、体力的な心配をする人が一定数いることもありますが、なによりも灘合格者でも西大和不合格者がいるということが挙げられると思います。

ただ、2日目で奈良まで行くことに対し体力的な不安を心配する人がいますが、本番なのに体力を心配している場合でも無いとは思います。

正直なところ、12月になれば全力疾走で、1月になってしまえば、あとは駆け抜けるだけなので、そこで出し惜しみをしている場合ではありません。

ハッキリ言いますが、出し惜しみをした人は落ちます。

だから塾もイベントや講座を設けて、ひたすら拘束しようとするのです。

むしろ後者の、現実的な「おさえ」という意味での受験校を入れることに重きがあるのではないでしょうか。

 

コロナ前の2020年の話ですが、私は受験二日目に高槻Bのために本校へ行っています。

スマホで動画を撮っていますから、私の動画をお見せした方もいらっしゃるとおもいます。

そこから解るのは、大変多くの受験者が集まっていること。

そしてB日程では、すでに悲壮感ただよっている子と、笑顔と緊張が入り混じっている子など、まあ様々であるということが一目瞭然です。

もちろん前者は星光(翌日13時発表)や高槻A(翌日10時発表)が不合格だった場合、後者はまだ結果が出ていない場合です。

 

さて、もしかしたら、そんな中で受験をしにいくという想像を、これから受験を迎える人たちはしていますか?

自分の子どもが、当てはまることもあるということまで考えて受験パターンを組まなければなりません。

星光の受験結果などは、高槻B日程の会場で解ったりしますが、本人にその結果を伝えさえしなければ解からないものでは?と思っている人もいるでしょう。

そんなに自分の子どもをなめてはいけません。

大体、このような受験をする人であれば、事前に「合格でも不合格でも、高槻の受験が終わるまで結果は言わないからね!」とか言うんですよね。

でも、受験会場へ入るまでの時間、例えば学校への移動中、電車の中、多目的ホールで待っている時間などを想像してください。

仮に自分の家族はそう約束していても、周りから聞こえてくるのです。

「やったー!」「あぁ・・・」など。

そんな時に、自分の親の顔を見るんですが、感の鈍い子であっても、それで大体自分の結果を察知します。

そう、自分の家族からではなく、周りの雰囲気がきっかけとなって、自分の結果を知る、もしくは気になって気になって仕方が無い状態に陥るのです。

 

上記でも書いた、安心のために第一志望より偏差値の低い学校を必ず入れること、と言われるのは、こういった状況も鑑みての経験からなのです。

くり返しになりますが、そういう意味でも、洛南の専願切り替え制度は、男子最難関を目指す子たちにとっては、本当に有難い制度と言えるでしょう。

 

さて、そろそろ各学校の次期受験における募集概要や情報などが出てくる時期です。

新しいパンフレットを出してくるところもあるでしょうね。

もう5月も終わりで、統一入試日まで残り8か月を切っていますが、夢と希望に胸いっぱい!と、保護者も一緒になっていてはいけません。

どんな状況であっても、保護者は万が一にそなえて最悪のパターンも考え、その上で受験校を選定していきましょう。

夏期が終わって秋になった時に願書を取り揃えていきますが、写真や書類を用意している時期になると、もうそんな余裕はありませんから。

 

 

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