中受マスターの近未来的もしもシリーズ。

その1は、もしも『4科目必須受験』になった場合のお話です。

え?それは無い?

おやおや、もしかして社会が必須という意味合いで受け取っていませんか?

そいうことでは無いんですよ。

今回は、しばしば話題になっている英語の中学受験についてです。

え?それも無いって?

いえいえ、それはある可能性を秘めているんですよ。

 

ここで、少々昔の話をしましょう。

今から20年以上前、私がこの業界で働き始めて数年が経ったころ。

中学受験業界に一つの話題があがりました。

『灘、甲陽が受験で社会を導入か!?』と。

おそらくこのブログを読んでいる人は、年齢的に30~50歳台あたりの方が多いでしょう。

また小中学生も読んでいることもありますが、その場合はあまりこの頃のことを知らない人が多いと思います。

2004年~2005年あたりで話題になった話で、この時期に六甲学院(当時:六甲中)とあわせて、全中学が足並みをそろえるのではないか?となったのです。

事実、六甲は何度か受験形態を変えていますし、この年代ごろに各最難関校に大きな変動が起こっています。

その中でも一番の話題でした。

結局、そうはなりませんでしたが、もし4科受験になっていたら・・・と思うと、その後の志望者は相当大変な思いをした可能性がありますね。

 

その後、何回かの細かな変動があり、それにあわせて各最難関校を中心に時代にあわせて変化してきました。

複数日程制や教科の増減など、昔から一切変わっていないのは、灘と甲陽だけです。

今の受験状況は、2000年代初頭の大きな変化と比べれば、かなり落ち着いてきているとは思います。

ではここに、近年、関東や西日本でじわりと増えつつある『英語』入試が、関西で勃発したらどうなるか考えてみてください。

実際にありえそうな話でしょう?

 

すでにいくつかの学校では、英語入試を関西圏でも行っています。

西大和や高槻が代表格ですが、実際に英語入試で合格をしようと思うと、英検なら2級以上のレベルが必要になりますし、それがイコール合格になるような感じでもありません。

ここはちょっと色々あるようで、塾の進学説明会でも少しだけ話をされましたかね。

これらの学校はHPで英語入試の問題をUPしていますので、興味のある人は問題を解いてみてください。

一般の小学校で習うような英語のレベルでは、とても太刀打ちできません。

西大和の場合は、英語入試と言っても、実際に当日解く入試と、英検2級以上を保持しているので当日国語と算数だけでいい入試があります。

当方からもこれまで数人この入試で合格しているのですが、やはり英語の能力はズバ抜けています。

小中生がよく使うレベチ(=レベル違い)ってやつですね。

なので、志望者数を見てみると、3科受験や4科受験生と比べて桁違いに少ないです。

そんな英語の能力は、一般の小学生は保持していないということです。

 

ただし、今の中学受験を志す子どもたちが習っていることも、一般の子と比べればレベチなんですよ。

例えば国語ですが、実際に彼ら彼女らが入試本番で読解している文章に関しては、大学受験と何ら変わりありません。

有名な話に、某難関中で出題された文章が、某旧帝大でも出たことがある!のです。

もちろん問題は全く違いますし、語彙に関してはかなり補助がついていますが、それでも同様のケースはよくあるのです。

だから、各大手塾の公開や模試などは、もの凄い量の文章や難度の高い文章を出したりしますよね。

以前、某学園の小5の公開でバーグルエン賞を受賞した柄谷行人の交換モデルXの理論を出していましたが、「なんでやねん!こんな哲学者の言っていること小学生に解るわけないやん!」と思いました。

ところが、蓋をあけてみれば平均点が60点を上回っていたんですよね。

問題そのもののレベルで言えば、国立大学受験とは全く違いますが、文章レベルはそこに追い付いているんですよ。

自然と慣れていっているのだと思いますし、それが今の中学受験なのです。

 

さて、そんな中に英語が導入されて選択ではなく必須になったらどうなるでしょう?

喜ぶ人も一定数はいるでしょうが、驚き慌てる人、泣き叫ぶ人、絶望する人などの方が多いでしょうね。

なぜなら、国語や他教科のように、英語も大学受験レベルを要求される可能性があるからです。

中学受験で、どこの学校が「数字を英語で書きましょう」「自己紹介をしましょう」「This is a pen.」程度の問題を出すでしょうか?

最難関校なら、英検2級以上のレベル、灘なら英検1級かもしれません。

いや、知識よりも何か表現力を求められるかもしれませんね。

灘・甲陽恒例の記述問題とかでしょうか。

英語は中学に入学すると、将来どの学部を目指すとしても必須の教科です。

その重要度はトップクラスですから、おそらく配点も一番高くなるでしょう。

灘なら英語200、国語200、算数200、理科100の700点満点とかでしょうか。

でも灘の高校入試は、英語100、国語100、数学100、理科100なので、こちらであわせるでしょうか。

コロナ前、当方から高校入試で灘高に合格した子がいたのですが、「これは秀才!」と思ったものです。

そのレベルを求められるわけであって、英語で英検1級以上のレベルで求められた場合、ほとんどの子はどうしようもない状態に陥ってしまうかもしれませんね。

 

しかし、そこはご安心を。

なぜなら大手進学塾は、わりと私立最難関の高校受験コースがあったりします。(=全ての塾ではありません。)

馬渕なら高校受験コース、進学館なら予備校までありますし、進学館の同じグループ会社(=ベネッセHD)には、あの鉄緑会がありますね!

さあ、安心できましたね。

では、英語の授業が無事に各塾で開始されたとしましょう。

そこで求められる力を、きっと養ってくれることでしょう。

ただ、保護者の負担は倍々ゲームで増えていきます。

今まで算数、算数と言っていた塾も、急に英語、英語と言い出すかもしれません。

なぜなら、英語ほど平均点に対し、得点できる人とそうでない人との間に差が出来る教科は珍しいからです。

それは実際に中学受験を経て、その中学に進学した皆さんがご存じですね。

となると、得点が取りにくい教科になるため、言葉は悪いですが、逆に英語を捨てて、よけいに算数、算数と言い出すかもしれませんね。

 

さあ、皆さんはどうしますか?

きっと平常授業の英語に加えて、最レ英語とかいうものが出来るでしょう。

英語1st、英語2ndなんて、当たり前の世界かもしれませんね。

無料オープンテストに、英語が入ってくるかもしれません。

でも、そんな世界が迫ってきているのかもしれませんね。

関東では、男女御三家や早慶などはまだ採用していませんが、実際にじわりと英語入試が増えてきています。

関西でも英語が必須教科になったら・・・。

もう怖い!怖い!リングより怖い!

く~る、きっとくる~きっとくる~、とか歌ってしまうかもしれません。

(注意:リングを知らない人は、Amazonプライムで見てください。ただし、見た後のことは保障できません。)

 

 

●○さ~て、今日も歯を削られてこようかな~○●

 

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