日曜日にあった公開テストの結果が、各塾ともに出始めているころでしょう。

気になるのは偏差値ですが、その偏差値は平均点の上下によって左右されます。

例えば、同じ70点でも、平均点が50点ぐらいの時と70点ぐらいの時では、その点数の持つ意味も全く異なりますね。

学年によって、また教科ごとでも、平均点は全く違います。

うまく全教科とも平均60プラスマイナス5ぐらいで出揃う時もありますが、まあ稀ですね。

 

そんな平均点ですが、テスト後には「低かったので安心した」「高かったので残念だ」などという言葉が聞かれます。

なぜか「低かったので残念だ」「高かったので安心した」という言葉は聞きません。

当たり前?そうでしょうか。

では、なぜそのような言葉が出るのか?と考えてみます。

するとそれぞれに共通する言葉が省略されていることに気がつきます。

これが『自分の点数と比べて』という言葉です。

 

「自分の点数と比べて、平均点が低かったので安心した。」

「自分の点数と比べて、平均点が高かったので残念だ。」

 

こうすると意味が通じますし、その成績背景が読み取れますね。

間違っても、「自分の点数と比べて、平均点が高かったので安心した。」という人はいないでしょう。

でもそれは本当に良いことなのでしょうか?

おそらくここには、「他の子も出来ていないから、多少悪くても大丈夫」という心情が盛り込まれています。

これは困りましたね。

ここで平均点が低いと、どんなことが起こるか考えてみましょう。

 

まず、平均点が低いために、得点帯のボリュームゾーンとの差が拡大します。

この場合のボリュームゾーンとは、まさに平均点付近ということです。

例えば、平均点が60点の模試だとすると、普通は70~50点あたりに多くの生徒が集中します。

このあたりを起点に、その上下に生徒が分散し、ピラミッド型の得点帯を形成するでしょう。

ところが、平均点が40点の模試だとすると、50~30点あたりに多くの生徒が集中します。

下限値は0点がいるなら0点、いないならその模試の最低点です。

平均点が40点の模試だと、ボリュームゾーンのすぐ下になりますから、おそらく29以下もそこそこ生徒がいますし、下限値付近の生徒も多くなるでしょう。

ボリュームゾーンが低いということは、普段以上に多くの生徒がそのあたりに固まるということです。

ということは、この太い層を抜けきることが出来ないと、最難関校のレベルには到達しないということになります。

 

平均点が60点の模試だと、偏差値60は80点以上は必要かと思います。

しかし、平均点が40点の模試だと、偏差値60は70点未満で到達する可能性が高いです。

そんな中でも、その上位にはおそらく相当数の生徒がいます。

受験者が3000人いる模試なら、偏差値60以上は500人ほどいるでしょう。

これが平均点60点の模試での偏差値60以上の分布と、平均点40点の模試での偏差値60以上の分布は全く違います。

そんなテストでも、90点以上を叩き出す生徒が一定数いるからです。

算数なんかでよく見られる現象ですが、他教科でも同様に起こることはあります。

 

逆に上限は最高点になります。

100点の子がいればこれが上限値になりますし、96点ならそこが上限値です。

つまり平均40点なら、その付近の生徒たちとの差が、明らかに大きくなるということです。

これは、灘や東大寺、洛南女子や西大和女子を狙う層が平均前後だと考えた場合、おそろしく差を付けられることになります。

どの教科で起こったとしても、このような状況では相当厳しいことになるのがすぐに解ります。

 

さらに平均点が低い時は、大多数の生徒がその平均付近かそれ以下に固まっています。

ということは、1点の重みが増すということです。

多くの生徒が同じ得点帯に固まっているため、1問正解するだけで、十数人抜くことができるでしょう。

1問あたりの配点にもよりますが、もしかしたら数十人ごぼう抜きできるかもしれません。

我が子が灘や洛南女子志望ではなかったとしても、各最難関校や難関上位校を志望する人が、そんな時に一緒になって仲良く固まっていてどうするのでしょう?

こういう時こそ、くだらないミスが無かったかどうか、キチンと計算ミスや漢字ミス、また問題の読み違いや読み飛ばしなどなく解けるかどうかということが問われるのです。

その1問で、全く違う順位になることだってあるのですから。

 

平均点が低い時こそ、ボリュームゾーンを上抜けすることが大切です。

高偏差値が出るチャンスは、平均点が低い時です。

そんな時に、平均点が低かったので安心したと思っている人は、向上心が無さすぎです。

他力本願な考えにならず、どうすれば他を抜き去り、『圧勝』出来るかを考えねばなりません。

模試でA判定が出ていたとしても、そのA判定通りの実力が入試本番で出ることの方が少ないです。

つまり、A判定ラインは各々の志望校によって違いますが、普段からそのA判定ラインよりも2~3は上を常にねらい、圧勝するつもりで物事に取り組んでこそ、入試本番では丁度いいくらいなんですよ。

少なくとも最難関校を目指している人が、平均点付近でフラフラしていて良い訳がありません。

ボリュームゾーンにいる時点で、負けていると思わないと。

 

 

●○成績判定は、厳しく見る方が良い。○●

 

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