「努力は報われる!」
ということは、どこの塾の講師でも言うことだと思います。
ただ、1~2年後とすぐに報われるか、5年~10年後と長い時間をおいて報われるかは、人それぞれだと思います。
「やればできる!」
「やらないからできないんだ!」
という会話は、松岡修造さんに通じるものがあるでしょう。
この考え方は、悩める受験生にとっての福音と成り得ます。
私は書かない、もしくは書きたくない子に接するとき、なぜ消極的なのかとその理由を尋ねます。
その答えの多くは、
「めんどくさい・・・」
「書かんで○になるなら得やし、ええやん」
と明後日の日の出を待つような悠長なもの言いが多いです。
刹那的な思考の最たる例かもしれません。
さらに何度も突っ込んで尋ねると、
「書くことが面倒」(それは息をするのが面倒と言っているようなもの・・・)
「時間が勿体ない」(勿体ないと思っていることが勿体ない・・・)
「やらんで合うならそれに越したことはない」(やらないから合わないのでは?)
などなど……。
まあ、ネガティブ思考の典型的な発言です。
言葉が先入観を含んだもので、損得勘定をもとに物事を考え、自分の勝手な判断が生じてしまっています。
あえて断言しますが、こういった考え方やスタンスだといつまでたっても上達しませんし、合格できません。
色々な経験則から考えてみると、こういった合格できない子に共通する3つのキーワードというのがあります。
① 「普通」という考え方
まず、中学受験において、「普通」と言っているうちはダメです。
何かにつけてよく出てくる言葉に「普通」がありますが、そうは言いつつもよくよく聞いてみると、「普通に勉強して、普通に得点して、偏差値は△△くらいはあって、クラス帯は○○で、□□ちゃんと競えるくらいがいい」という考え方です。
だったら、「普通」以上に努力と時間を割かないと、「□□ちゃんに勝つ」、「○○というクラス帯」などなど、周りと同じことをして同じように勉強していても、永遠にその「普通」は手に入りません。
「普通」を求めているようで、実は「『自分が考える』普通から少しでも外れたら嫌だ!」と言っていることに気づいていません。
会社でもそうでしょう。
「この仕事、普通にやってくれればいいよ」と言う上司は、たいてい部下がやった結果に対して後追いで文句を言うものです。
「普通」という考え方をやめましょう。
保護者でも、「普通に勉強を・・・」とか「普通に○○が・・・」「普通に点数を・・・」とか言っているうちは、子どもや自分自身が更なる高みへ上がることは不可能です。
② 「損か得か」という「先入観のある」価値観
例えば大きな買い物をする時もそうですが、何かしら譲れない条件を決めて、あとは状況に応じて取捨選択することが多くないでしょうか。
家や車、もしかしたら結婚もそうかもしれませんね。
勉強も同様で、何か条件をひとつ絞っておくことが大切です。
受験において、全てを選ぶことは不可能です。
物理的にも、時間的制約もあるからです。
必要なものは必要として徹底的に、逆に要らないと思ったらバッサリと切ることも必要です。
優先順位をつけることも大切でしょう。
でも、それを選ぶ際に、そのものに対して「先入観」という勝手な価値観を条件に付けくわえることだけはダメです。
例えば、社会が入試で科目としてあるかないか、まだ入塾したてでしんどいから、などと言って迷いなくこの教科を切ったりします。
実はこれ、皆さんサラッと言いますが、自らハードルを高くしていて、これを安易に決めた時点で、非常に困難な分野をつくることを覚悟すべきです。
それが全てとは言いませんが、国語でも特定の分野が苦手な子は、社会を取っていない子に多いです。
③ 決めつける思考
「あの教科はきっと□□だろう」
「・・・だろう、・・・ダロウ、・・・」
と勝手にジャッジしておいて、思い込んでしまうパターン。
自分の悪い想像力に縛られてしまって、「とにかくやってみよう」というポジティブな気持ちがなくなっています。
ですが、それは自分の物差しで測った見方でしかありません。
話で聞いていたときはどうかと思っていたが、実際にやってみた、行ってみた、・・・etc.
するとまったく違ったという経験は、誰しもあるはずです。
ズルズルと怠惰に過ごしてしまう最大の原因は決断力にあります。