【言霊 備忘録2】62 無限特別重要


【高天原の開扉】(たかあまはら の かいひ)2完

「先天に即した人類の創造する内面的主体である生命意志の基本原理の殿堂である高天原、エデンの園は何故に斯も長年月の間、結界、閉鎖、隠没(おんもつ)して居たか。その理由はこの基本原理を理解操作する高天原の覚者、聖者以外の予母(四方)津国の民衆衆生の知性がおしなべてこれを理解するに応(ふさわ)しく向上発達覚醒する時節を気永に待機する為であった。「巣に棲み穴に住みて」(日本書紀)とあるが、巣は静(す)で、言葉なき状態、穴は天名(あな)で母音だけで父韻の操作のない姿である。八千年昔の一般の世界人類は今日のボルネオの奥地のジャングルに住む未開人種と同様な知的に幼稚なものであった。こうした原始ヨーロッパ人、アフリカ人、アジア人、南北アメリカ人が段々に知性に目覚めて、世界人が科学(ウ)に、芸術(ア)に共通の常識と理解を持ち、世界も各地に大学が開設されて知識の交換が自由になり、各種の会議が招集されて政策の談合が盛んになり、学問の中でも特にウ言霊の活用である科学が見事に発達して人間が宇宙空間を遊歩出来るようになった今日の文明の段階に到達する為には、八千年の歳月は決して長すぎる時間ではない。」
<---解説1 八千年かかった理由

「ウ言霊に立脚した科学が発達した事はそのウ言霊を操作して人類の国家、民族、企業、個人間に生存競争の渦を巻き起こし、世界を矛盾相剋の修羅場に導いた大天使ルシファーすなわちサタンの働きであり、半面にはその偉大なる功績である。人間の最大の悪は国家民族間の戦争である。それは最大の犠牲を伴うこの上ない悲惨事であるが、この悪なる悲惨事の結果として常に科学と技術と産業の目覚ましい発達と云う大きな福音を人類にもたらした。輓近(ばんきん)の第一次世界大戦の後に相対性理論が樹てられ、第二次世界大戦の後には全ての悪魔の仮面を被って地上に降った大天使ルシファーの業績である。その活動はエデン閉鎖の後、悠久八千年に亘る長い長い努力であった。ルシファーなどと云えば神秘的神話的に聞こえるが、それはそうした仮想的概念的存在ではなく、現実にはそのルシファーの役に任ぜられ、若しくはその役を買って出た武力と金権を駆使する民族、結社、集団、個人等のメリットである。」
<---解説2 大戦の裏にあるもの

「ウ言霊の指導の下に高天原、エデンの園の外の予母都国の文明がここまで発達したならば天使ルシファーが悪魔の仮面を捨ててエレガントな昔の大天使の姿に還り、その古い兄弟であるガブリエル、ラファエル、ウリエル、ミカエルである四大天使と同列の位置に直って、天なる「主」の許に復命(かえりごと)を申し上げる時期が近づいて居る。ルシファーが永久不変の悪魔として地上を撹乱しなければならぬ様には生命なる「主」は命令して居ない。そのルシファーは八千年に亘って地上の人間社会を撹乱し、且つその間に予定された必要な建設を行なって来た。それは半面には罪状であり半面には功績である両面に効果がある。そうした功罪両面の所産である現代文明の現実のすべてが、八千年間閉鎖結界されている高天原、エデンの園の原理に則って、人間生命本具の先天性に順応するように整理合理化される。そのエデンの園の原理はその昔ルシファー自身(ウ言霊)が彼の兄弟の天使達(言霊アイエオ)と協力し共同して創造したものであったことを忘れてはならない。この整理と合理化、すなわち悪魔ルシファーが元の大天使ルシファーに還る操作が「禊祓」である。(『言霊百神』第二版248頁参照)」
<---解説3 整理と合理化から「禊祓」へ

「言霊精義[新装版]小笠原孝次著 七沢賢治監修 和器出版」