京都大学保健管理センターの石見拓助教(救急医学)らの研究チームが、AED(自動体外式除細動器)の普及により病院外の心停止患者の救命率が向上したことを世界で初めて実証し、研究成果が18日付(日本時間)の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載された。

 これまで国レベルでAEDの普及効果を証明した例は海外でもなく、世界レベルのAED普及向上につながりそうだ。

 研究チームが基にしたのは、消防庁など全国約800の消防機関が平成17年から3年間集計した院外の心停止患者約31万2300人の記録。救急隊が到着する前に居合わせた人がAEDで救命措置を取った患者は、取らなかった患者に比べて、社会復帰率が2倍以上高くなることが裏付けられたという。AEDを早く使用すれば救命率もあがることも判明した。

 さらに、各都道府県の1平方キロあたりの公共AEDの数を調査し、1個未満の地域と4個以上の地域を比較。心停止患者に対してAEDを使用するまでの時間が、4個以上の地域が1個未満に比べ平均約1分半早いことがわかった。

 研究チームは「公共の場のAEDを増やすほど早く使うことができる。AEDの設置数増加が、心停止の救命率をあげると国レベルでわかった」としている。

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