副住職&若坊守の奮闘日記【第二章】〜住職&坊守編〜

副住職&若坊守の奮闘日記【第二章】〜住職&坊守編〜

浄土真宗本願寺派のお寺の副住職&若坊守がお寺の日常をつづって参りましたが、一昨年より急遽、住職&坊守の立場となりました。
より奮闘する日々を、気ままにつづって参ります。

新芽が芽吹く季節となりました。



ここから5月にかけて、


私の大好きな新緑の季節。



先日、無事に永代経法要・前住職三回忌法要が勤まり、二日間、大勢のご門徒にお参りいただきました。


また法要にお参りが叶わなかった方からも、多くの永代経懇志をお預かりし、尊前にお供えいたしました。


那須英信先生のご法話


そしてこの度も、仏教婦人会が中心となって、お斎(おとき)を準備いただきました。



法要を勤めるにあたって、準備から法要本番、片付けまで、有縁の皆様にご協力いただきました。


心より厚く御礼申しあげます。




ところで、


この度の法要では、前住職が生前に大切にしていた衣(ころも)を着用しました。


うちの宗派(浄土真宗本願寺派)では、黒色ではない衣のことを、色衣(しきえ)と言います。


また切袴(きりばかま)も、前住職のものを着用しました。


前住職の色衣、切袴は他にいくつかありますが、今回着用したものは共に、比較的最近、おそらくは10年以内に仕立てたものだと思います。



いざ法要の本番。



着衣して驚きました。



なんと、



サイズがピッタリ。



前住職と私とは、7センチほどの身長差がありましたから、基本的に前住職の衣体(えたい=袈裟、衣、切袴の総称)は私が着ると短く、いわゆる不恰好になります。


そのはずだったのが、ピッタリ私サイズ…。


前住職は何にも言わなかったけど、


私サイズに仕立ててありました。


前住職が着用した際は、きっと長かったはず。


おそらく衣をみぞおち辺りで縛る石帯(せきたい)で丈の長さを調整していたのでしょう。


とても綺麗に衣体を着用する人だったので、全く気が付きませんでした。



やられたなぁーと。



まさかと思い、前住職の夏物色衣も着用しましたが、


やはり私サイズの仕立てでした。





親鸞聖人のお誕生日である5月21日が三回忌の命日。


私にとっても、家族にとっても、とてもしんどい二年間でした。


ただ、無理難題を一つひとつ解決していく中に、時に自らの成長を実感し、家族の絆も確認し、前を向くことができています。


今回また一つ、


前住職の不器用な優しさを知れた、私にとっても大切な法要でした。





なんまんだぶつ、、、   (住職)