久子殿下「根付」で博士号 | 情と理

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現皇族では3人目の博士号取得者です。

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久子さま「根付」で博士号 高円宮さまのご遺志継ぎご研究
産経新聞 5月31日(木)7時55分配信

 帯に印籠などをぶら下げる際に使用した留め具「根付(ねつけ)」を収集されていた高円宮さまのご遺志を継ぎ、高円宮妃久子さまが根付に関する博士論文を執筆し、今年2月、大阪芸大大学院で博士号を取得された。根付は洋装の広まりにより日本から姿を消したが、海外では美術工芸品として高い評価を受けている。論文は今後、英訳されるご予定といい、日本で忘れ去られた伝統文化を、再評価する機運が高まりそうだ。

 久子さまは普段から「根付は手のひらに収まる小宇宙」と表現される。小さいながら、時代ごとの美術工芸の技法や風俗が凝縮されているのが魅力という。

 久子さまが根付に興味を持ったのは、1960年代に渡英した際、日本では忘れられた根付について、海外では多くの収集家がおり、高い評価を得ていることに驚かれたのがきっかけだ。

 高円宮さまも、次第に根付の奥深さにひかれるようになり、誕生祝いとして久子さまに根付をプレゼントされたことも。高円宮さまは、根付に関する文献や作品などを精力的に収集し、作家の育成に努められた。「現代根付」や、江戸から明治までの「古根付」を集め、根付の歴史変遷をみることができる貴重なコレクションを築かれたという。

 伝統文化がきちんと評価され、継承されることを願っておられた高円宮さま。そのご遺志を継いだ久子さまは約4年前、根付の論文執筆を決意された。久子さまが客員教授として根付などについて年に数回、講義をされていた縁で、大阪芸術大大学院の山縣煕(ひろし)教授が指導を担当することになった。

 山縣教授は「ご公務と研究で、頭の回路を切り替えられるのが大変だったと思う」と振り返る。論文は高円宮さまのコレクションに重点を置いた構成で、高円宮さまが根付にひかれるようになられた経緯に始まり、それぞれの作品を紹介し、特徴を分析された。


 このほか、ウクライナから取り寄せた根付がご逝去の日に宮家に届いたエピソードをご紹介。「コレクターとしてのご遺志を継ぎ、蒐集(しゅうしゅう)活動を継承し、現代作家の支援をこれからも続行するのが、(ご成婚の)昭和59年以来、根付への共通認識に支えられながら殿下とともに過ごしてきた論者の責務と考えている」と締めくくられている。

 2月27日、大阪芸大で行われた博士学位記授与式に、久子さまはガウンと角帽を身につけてご出席。式後のパーティーでは「日本人が、日本の伝統文化である根付の論文を出せていないのが残念だと感じていた」と述べられた。

【用語解説】根付

 印籠などを帯にぶら下げる際に使った留め具。江戸時代中後期に最盛期となり、凝ったデザインのものが作られた。明治の開国とともに輸出され、海外で人気が高まり、収集や研究が盛んに行われた。大英博物館や米ボストン美術館には、それぞれ1000点を超える根付が収蔵されているという。
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普通の研究者でも博士号を取ることは極めて大変なことであり、御公務との関連から、さらに大変だったと思われます。