「踏み切る前ならともかく、ここまで来ている人を止めるのは……。無理に止めたら、言い方はアレですが…、発狂するでしょうね」
と。
そして、
「ようやく自分の気持ちに向き合って生きていこうとなって、そんな自分を同じ境遇の人が理解して受け入れてくれることが彼の支えになっていると思います。
そして、僕は、いわゆる裏側の世界ではなく、リアルな世界で奥さんが理解者になって支えてくれたらうれしく思います」
と。
診察室に入るまでは、
「私は同意しません!妻が同意しない以上、
注射はやめてもらえますか?」
と聞くつもりでいたし、
先生の言葉を聞いてもやはり『身勝手』という思いは消えませんでした。
言いたいこともたくさんあったし、
彼が注射しない選択のために聞きたいこともたくさんありました。
(不適切な表現やジェンダーの方を批判していると捉えられるような不快な言い回しもあり、自覚も反省もしていますが記録としてそのまま書かせていただいています)