□だいこんのお話
マクロビオテックで使う素材の解説です
第10回は だいこん のお話
【 最古の野菜 】
だいこんの原産地は諸説あり、
中央アジアが起源のひとつと考えられている。
古代エジプト時代のピラミッドの建築の際に、
食物として二十日大根(ラディッシュ)が支給されたと
いわれていて、最古の野菜のひとつ。
日本には中国から伝わり、
『日本書紀』の歌に「おほね」として登場し
(のちに古名の「おおね」は大根の字があてられる)、
『古事記』にも記載がある。
春の七草のひとつ《すずしろ》としても親しまれてきた。
【 だいこんのミラクルパワー 】
だいこんの根の部分は95%が水分で、
ビタミンCと消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれている。
たんぱく質も脂質もほとんど含まれていないため低エネルギー。
豊富に含まれる食物繊維は便秘を解消したり、
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病や
大腸がんを予防するなどの働きをしてくれる。
だいこんに含まれる酵素の働きに注目。
でんぷんを分解する酵素のアミラーゼは
主食を米としている日本人には欠かせない。
食べ過ぎによる胃もたれや胸やけ
の解消に役立つ
。
お正月におもちを食べ過ぎたと思ったら大根おろしを食べましょう。
オキシターゼは魚の焼け焦げに含まれる発がん物質を
解毒すると考えられていて、
焼きさんまには必ず大根おろしが添えられる。
だいこんおろしの辛み成分には肝臓の解毒作用を助ける働きがある。
『だいこんの葉』はミネラルがいっぱい
葉はカルシウム・鉄・カリウムなどのミネラルが根の2~10倍。
骨粗しょう症や鉄欠乏性貧血、高血圧の予防をしてくれる。
カロテン(ビタミンA)・ビタミンC・Eが豊富。
それらのビタミンはからだの中に起きる活性酸素の害を抑えたり、
細胞のがん化や動脈硬化を予防し、
心臓や脳の血管の病気の予防をしてくれる。
『切り干し大根』は旨味と栄養がアップ
干すことで水分が抜け、旨味が凝縮される。
カリウムは約14倍
カルシウムは約23倍
食物繊維は約16倍
鉄分は な・ん・と 49倍 にもなる。
保存もきくので便利なお助け食材。
【 だいこんの選び方&保存方法 】
だいこんに開いた毛穴は並び方がまっすぐのタイプと
らせん状の斜めのタイプがある。
らせんタイプのほうが辛みが強いといわれる。
上のほうが甘く、下にいくほど辛みが強くなる。
調理法や好みに応じて使う部位を選びましょう。
肌がみずみずしく張りがあり、なめらかでつやのあるものが新鮮
。
大根を真上から見て、
葉が放射線状に広がっているものを選びましょう。
葉と根は切り分け、ラップに包んで
冷蔵庫で立てて保存するのがおすすめ。
丸ごとのままの場合は新聞紙に包み
冷暗所で保存するとよいでしょう。
【 だいこんのマクロポイント 】
揚げものや焼き魚を食べた時は
大根おろしで油脂を中和しましょう。
大根おろしのの入った玄米のおかゆもおすすめ。
ふろふき大根などのだいこん料理もからだに
不必要な脂肪をだす手伝いをしてくれる。
目の下が黒ずんでいたりしたら引き締める力(陽性)が強い状態で、
原因のひとつが塩分(精製塩)の多い食べ物。
こんな時には大根をふろふき大根のように薄味で
甘みがでる料理にして食べましょう。
大根は体の中の余分なミネラルを身体の外に出してくれる働きがある。
参考文献・出典・引用
・旬の食材秋・冬の野菜 /講談社
・からだにおいしい野菜の便利帳 板木利隆 監修 /高橋書店
・中 美恵のキレイになるマクロビ教室 食べるエステ 中 美恵 監修/中 広行