ひばりちゃんの映画。始まって数分で一気に好きになってしまい、ノンストップで観た映画。いや、見る前から大体この映画の性格は自分のタイプだってわかっているけれど。

 

色褪せない娯楽映画とはこのこと。何もかもがぶれないなー。

笑って泣かせて、ここぞというときに、2、3回ひばりさんの歌をバシッと入れる。そう、ミュージカル映画ってやつだ

。話の筋だてはもう決まっているのです。

もう説明不要。話の筋も単純でそりゃ先はわかっているしハッピーエンドってわかっているけれど、最後の最後までドタバタが起きるのも定番。

 

なんてたって、主役の美空ひばりさんのスターオーラが全てをかっさらていく。ひばりさんありきの映画で、東映のみならずそれ以前の松竹でも数多の主演ものが作られたのは当然。ひばりさん映画は何十本も観てきたけど、やはりこれが昭和のスターの威力といつも感服してしまう。その魅力は知っているはずなのに。

 

 

いつもいつも思うが、ひばりさんの功績って歌だけでなく、映画スターとしても同等かそれ以上のものがあった。女だてらにを地でいく、男顔負けの気風の良さと、艶かしい乙女の魅力、その両極端を見事に使い分けるスター。恋に落ちたら急に乙女になるところの演技なんてものは、思わず顔が綻んでしまう可愛さだ。