先日、5月25日(土)のBS朝日「人生、歌がある」の放送。今年の4月から吉幾三さんが司会をされているわけで、根っからの吉演歌マニアの私は、毎週欠かさず視聴。こういう日が来るとは夢にも思っていなかった。吉さんがこの番組に出演されるときはいつも楽しみだった。それが、今や毎週吉さんのお姿を拝めるって、ファンにしたら信じられないような素晴らしいこと。

言いようがない感動だ。しかもダブル司会なのだが、お相手のお美しい岡田美里さんとの相性も抜群なのだ。これがまた素晴らしい。よくぞこのお二人のコンビで司会という発想があったものだと、素人の私にとってはびっくりするやら嬉しいやら。ま、以前の五木ひろしさんが司会していた頃から、私はこの番組のファンですが、もう10年以上続く番組だから、そりゃもうこの番組のよさっていうのはわかってるわけで、いいに決まっているんです。

 

五木ひろしさんも、私にとっては特別な方なんで。アルバムだって100枚以上持ってるし、突然とも思える五木ひろしさんの司会卒業はそりゃショックで寂しかったけど、その次がこのお二人の司会というわけで、じゃもう気分を切り替えて、視聴し続けようというわけになったのです。

 

と、いっても、放送時間になる前にスタンバイしてリアルタイムで視聴しているわけではない(これだけ絶賛した後で、ほんと失礼なことですが・・・)。で、今回の特集は、なんと「吉幾三お宝プレイバック」というこれまた夢のような特集。

ファン垂涎の特集が早くも来てしまったのだった。こんなはやくくるとは思わなかったなー。

 

と言っても、先週の予告をちゃんと見ていなかったので、放送日当日になってこの衝撃の特集があるということを知ったのだった。今日も1日が無事に終わる…と、ほっと一息つきたいときのこのご褒美。これはもう、とんでもないご褒美なのだ。いつもは土曜の夜は仕事をしているのだが、この日は有給(笑)。特に何もする予定もなく、テレビでも見ようかと、偶然その時はテレビの目前にいた。というわけでリアルタイムで視聴したのだが、文字通り、涙した。

 

私は、幸か不幸か吉さんとは違って(笑)、涙もろくない人間だ。普段、感動系の映画やいい曲を聴いてもあんまり泣かない。巷で泣ける映画とかで泣ける確率は10パーセント以下だったりする(我ながら冷たい人間(笑))。

だが、今回ばっかりはすぐ泣いた。頬を涙が伝っていたというこの感覚。清らかな涙を流したというのだろうか。ただただ清々しい涙を流した。別にそんな自分に酔っていたわけではなく、自然と気がついたら涙が流れていた。ほら、吉さんの演歌の歌詞でもあるように、こぼれる涙を拭きもせずっていうやつ。

 

私の涙腺が崩壊したのは、ラストに披露された「ありがとうの唄」。

 

もうね、吉さんファンにしてみればこの曲は、隠れた名曲でもなんでもなく、絶対知っている有名曲。当然、シングル化もされているし、そりゃまあ有名な曲。吉さんの十年来のファンの私だってもう、今まで何回聴いてきたかわからない。それなのに、もう知っている曲で、いい曲だってわかっているにも関わらず、改めてこうして披露されると滂沱の涙なんですからね。すごいこと。楽曲の素晴らしさはいうまでもないけど、今の(当時60代半ばだろうな・・・)吉さんの歌唱が素晴らしすぎるわけであって。別に、このごろ鬱で精神病んでいたわけじゃないし(だったら今こうしてブログも書けない…笑)、ことさら落ち込んでいたわけでもないのに、泣くつもりなんてさらさらなかったなのに、気がついたら頬を一筋の涙が伝い、後は涙で吉さんの歌唱シーンが見えなくなるざま。

 

あー素晴らしかった。もうね、理屈じゃない。泣けるから泣ける。この歌の歌詞のような経験、したことがなくても、この歌詞に近いような経験すらもしていなくても、この歌詞と歌唱は、響く人にはとにかく響く。まあ、普遍的なことを歌っているといえばその通りなのだが、特にふるさと離れて都会にでてきて生活していた経験がある人にはなおさら響くものがあると思う。演歌好きとか、歌謡曲好きとかそんなものも関係なくただただ響く人には響くのだ・・・。

そして発売当初の歌唱よりも、今の歌唱の方が断然説得力があると私は思っている。これだけはオリジナルを何度も拝聴してきて、今の歌唱にも親しんできた自分にはわかること。オリジナルの歌唱ももちろん素晴らしんだけど、吉さんというこの偉大なシンガーソングライター、エンターテイナーの生き様っていうのが、年々貫禄を増して来ているからだと思う。楽曲もいいんだけどやっぱり今の歌唱力がすごいからここまで胸を打たれるんだなって改めて思った。

 

歴史に残る名曲は多くの歌手の方にカバーされるべきものだと思うけど、そして、名曲と呼ばれる曲は、有名歌手の方々が結果的にカバーしているけれども、この曲ばっかりはやっぱり吉さんが歌わないと、自分にはここまで響いて来ないんだろうなって思う。もうね、心の入れこみ具合が尋常じゃないし、とにかく説得力がすごいんだわ…。吉さんの人生そのものが演歌そのものっていうのは分かりきったことなんだけど、改めて聰思わせてくれる歌詞なんだな…。

普通、ご本人が歌いながら感極まって図らずも涙するっていうのは、業界ではまあまああることかもしれないけど、この歌の時は、吉さんが当時のご自分の歌唱シーンを見て、また本気で涙するっていう、常識じゃ考えられていない、ものすごいことが起きていたわけで。こんなのフツーレベルの歌手の方(失礼)なら許されないけど、吉さんだったら全然あり得るわけで、むしろ大歓迎なわけ。そうなってもおかしくないって思うんだよなあ。そしてその状況を目の当たりにしてまた視聴者も涙するっていう、まあ、とてつもない涙の連鎖ができるわけ(笑)。

 

そのほかにも千昌夫さんとの「と・も・子…」、細川たかしさんと竹島宏さんとの驚異のトリプル共演の「夢の中へ」など、爆笑シーンが数多くあり、後はもう二度と実現しなくなってしまった、五木ひろしさん、八代亜紀さん、鳥羽一郎さんとの4大スター共演の「酒と涙と男と女」などなど、こりゃ見応えがある!なんて生やさしい言葉ではいい表せない程のもはや永遠に残る放送分だったと言い切れる。

 

これだから、吉・演歌、吉さんのファンやめられない。