さて、めでたく全話DVD化されたドラマ「大空港」。発売されて何年も経っていたが、ようやく全話6セット発注完了。と言っても、肝心の1セット目が欠品中らしく、待てど暮らせどこない。もう2ヶ月経つので、このまま欠品で仕入れはできなかったというメール一通で、虚しく終わるのだろう。それだけこのドラマを求める人がいると思えば、逆に嬉しいのだがが。

 

と言うわけで、仕方なく2セット目の14話目から視聴。私の人生に、ぼんやり待っている時間などもうないのだ(笑)。

 

私のお目当ての鶴田浩二さんは、まんま「男たちの旅路」シリーズでのスーツルックスだ。ヘアスタイルもおんなじ。それで良いのだ。着流し姿も、軍服姿もさまになるし、何をお召しになっててももちん好きだが、私にとってはスーツ姿はその中でも最も好きなのでなんの文句があろう。渋い。とにかく渋い。

 

いつものあのいいお声での台詞回しの素晴らしさ、滑舌の良さ、歩き方、オープニングのちょっと走る姿、かっこいいのだ…。瞳にうっすら涙を浮かべるアップのシーンなどもさすがの貫禄だ。

 

緒形拳さんの壮絶な最期を主軸に描く第14話。仕事仕事、仕事に命をかけ続けて生きてきた男は、やはり最後の最後まで仕事に絡め取られて死んでいくのだ。殉職。最も「らしい」死に方で、ロマンがあると言えよう。でもせめて最後の家族水いらずの温泉旅行、実現して欲しかった。

 

片平なぎささんは相変わらずお美しい。ここまでお若いときの作品は初めて見た。中村雅俊さんは、私がよく知っている昔のイメージそのまんま。「寅さん」にゲスト出演された時も、なんかこういう同じような役だった気がする。血の気の多い若者、いかにも若者といった反骨精神がある役。この時代の独特の長髪がなんとも懐かしい。