最寄り駅は飯田線の下市田駅。中央線岡谷駅で飯田線直通の各駅停車に乗り換える。私は電車移動好きな方だが、さすがに飯田線は退屈になる。カーブが多くて速度が上がらず、駅間が短く、列車交換で長時間停車がありと、なかなか進んでいかない。岡谷駅から60km程、2時間もかかりようやく下市田駅へ到着した。

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駅からは1km強を歩く。この辺は市田柿と呼ばれる干し柿が特産品らしい。観音堂の近くには原木の地の記念碑が立っていた。観音堂はこの記念碑の反対側。民家と畑に挟まれた参道を100m程行くと、古びた小屋が見えてきたが、これが目的地であった。

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 イメージ 3本堂は切妻造平屋で屋根はトタン葺き。2間×5間で、平入りの玄関には「伊那西国第廿六番札所 千手観世音 清水庵」と書かれた表札が掲げられている。賽銭箱はなく、障子が立っているので中の様子は窺えない。左手には石塔が並べられているが、歴代住職の卵塔がいくつも立っている。入口付近に立っている説明板によると、創立年代は不明だが、古くから地域の信仰を集めており、江戸時代に行われた御開帳の記録も残っているとある。また昔は「間々沢清水寺観音堂」と呼ばれていたと書かれているので、清水寺と称していた時期もあったらしい。今は小屋同然なお堂があるのみだが、往古は立派な本堂があったのかもしれない。(2014年1月探訪)


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