20158月下旬、山形駅から左沢線の気動車に乗る。車内は通学の学生で賑やかいが、東北の夏休みは短いのだろうか。それも徐々に降りていき、目的地の最寄りとなる羽前高松駅に着く頃にはローカル線の長閑な雰囲気が広がっていた。
 駅からは1.5km程を歩く。途中で寒河江川を渡るが、架かる橋には慈恩寺大橋の橋名板が付いている。この慈恩寺は出羽三山の信仰と結びつき、中世には王権の庇護もあり多くの坊院を擁した大寺である。行政による詳細な調査をはじめ、研究の俎上にのることもあるので非常に興味がわく所だが、こちらは後回しにして通り過ぎ、国道から集落を通る旧道へ入る。しばらく進むと「真言宗清水寺」と大きく書かれた看板があり、迷うことなく到達した。

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 看板を左に折れると100m程の参道がのび、その先の石段を登ると本堂が目の前に迫って見える。かなり急な傾斜の大きなトタン葺き屋根なのでそんな印象を受けたが、雪が多い土地柄だからなのかなと思った。

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本堂の前でお参り。ご本尊は阿弥陀様とのことだが、以前は一向宗とのこと。また入口の看板にも書いてあって通り、谷地新四国第25番札所である。御朱印を乞い、本堂の右手にある庫裏にて声を掛けるとお大黒様だろうか、応対に出て下さったが、御朱印を頂くことはできなかった。それでも謂れやこの地域の事を聞くことができ、京都清水寺との縁もあるとおっしゃっていた。話し込むうちにお茶を勧められたが、それはさすがに厚かましい。丁寧にお断りし寺を後にした。
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