ここへの到達難易度は高い。というのは清水山の山頂にあって、車の到達は不可だからである。私は2018年のゴールデンウィーク、あいの風とやま鉄道西高岡駅から徒歩でアプローチした。
清水山へは、まず駅から3.5km程離れた麓の浅井神社を目指す。浅井神社は延喜式内社だけあって、参道から風格が違う。一応神社へ参拝後、その脇から延びる林道を登り、しばらく行った途中から左手に折れる。ここからはいよいよ人しか通れない山道。とは言え案内板があり、また標高200m程の山なので迷うことはない。しかし、途中の林道脇にあった熊捕獲用と思われる檻が目にとまる。念のため、持って来た熊よけ鈴を急いでリュックから取り出し、20分程登ると目的地に到達した。

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さて寺とは言っても、イメージ 2現在は小堂しかない。しかし祀られている観音様は、石像だが清水寺形千手観音であった。こんな山の頂で思いがけず貴重な観音様にお会いできたと感動しつつ、脇に立てられている案内板を読むと、都を離れこの地へ来た親王が、京都を慕い観音堂を建て清水寺と名付けたとある。真偽はさておき、京都清水寺と同じ様式の観音様を何らかのご縁によりお奉りし、栄枯盛衰を繰り返し現在に到ったと推測される。また木像だったら、朽ち果てるか里のお寺に移されたのではないか、石像だからこそ小堂とは言え残ったとも思った。

ここからは砺波の平野を広く眺望できる。観音様はまるで、里での営みを見守っているかのようでもある。手入れを怠れば、数年で森林化してしまいそうな山の頂である。今後も末永く護持されていくことを願いつつ、下山の途についた。

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