◆小泉悠『偽情報戦争』を読み解く



副題→「あなたの頭の中で起こる戦い」



★要旨



・西側がロシアの弱体化を狙って

さまざまな工作を仕掛けている、

という見方は、以前から

ロシア社会に根強く存在していた。



・ロシアを代表する情報戦理論家で、

外交アカデミー教授のイーゴリ・パナーリンによれば、

ソ連の崩壊は、

西側による「情報戦争」の結果であった。



・偽情報によって社会主義体制は、

限界を迎えているという認識を抱かせることで、

急進的な経済改革や情報公開に走らせて

ソ連の崩壊を図った、というのである。



・2016年のアメリカ大統領選に対して

ロシアが仕掛けた介入作戦は、ロシアの論理では

「復讐」であった。



・情報戦理論の源流は、メッスネルにあり。



・エフゲニー・メッスネルは、

元々ロシアの帝国陸軍の砲兵将校であった。

1917年、ロシア革命が起こると、

反共主義者のメッスネルは、白軍に身を投じた。

敗れた後は、

ドイツ、そしてアルゼンチンへと逃れた。



・彼は、アルゼンチンにて、

祖国を共産主義政権から解放する方法について

思索をめぐらせ続けた。



・メッスネルは、大戦争はできなくなったが、

電波メディアである、テレビやラジオならば、

国境を越えて人々に情報を送れることができる、

と気が付いた。

「電波侵略」が可能になるということだ。



・マイダン革命を

「ルーシ民族分断のための西側の陰謀」

とみなしたプーチンは、

その直後にウクライナに対する介入を開始した。

第一次ロシア・ウクライナ戦争の始まりである。



・しかも、これは単なる軍事的侵略ではなく、

大規模な情報戦を伴うものであった。



・ロシアの情報戦が狙っているのは、

人々の認識を180度逆転させることではなく、

大量の偽情報を複数のチャンネルから

継続的・反復的に浴びせかけることによって、

何が事実なのか、わからない状況を

作り出すことなのである。



★コメント

偽情報と、どうやって渡り合うか、

勉強を続けなければならない。



 

 

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