◆小谷賢『モサド。暗躍と抗争の60年史』を読む



★要旨



・一般に、

モサドはイスエラルの対外情報機関として、

アメリカのCIAや英国秘密情報部と並んで、

有名な組織である。



・モサドのスタッフ数は、

1500から2000人程度と見られており、

この数はMI6より若干少なく、

CIAと比べると10分の1程度。



・モサドは、世界中に張り巡らされた、

ユダヤ人情報網によって

情報収集活動を行う対外情報組織であり、

その具体的任務は、以下のようになっている。



1、イスラエル国外の秘密情報収集。

2、敵国の大量破壊兵器の入手、開発の阻止。

3、国外のイスラエル人をターゲットにしたテロリズムの防止。


4、外務省連絡事務所が

公式に活動できない地域において、

ユダヤ人の帰国を援助する。


5、作戦、政治、戦略情報の作成。

6、イスラエル国外における特別工作の実施。

7、非公式の外交関係の維持。



・イスラエルは、

国家自体がつねに緊張とともにあり、

さまざまな情報機関が機能しなくなれば

イスラエル国家は、あっという間に存亡の危機に立たされる。



・そのため、情報機能を特化させ、

ウサギのような長い耳を持つことによって

これまで生き延びることに成功してきた。



・そして常にその最前線にいるのが、

モサドのオフィサーたちであり、

過去、不可能とも思える様々なミッションを実行してきた。



・イスラエルは、

なんとか第一次中東戦争を生き残った。

1949年2月から7月にかけて

各国との休戦協定が結ばれ暫定的な国境線が確定したことで、

イスラエル国家およびインテリジェンスの以上命題は、

この国境線を守り抜くことになった。



・モサドの存在意義は、

以下のとおり設立当初から変わっていない。



1、アラブ諸国に関する情報を集め、

イスラエル国家の安全保障を確立する。



2、モサドが首相に直結する情報機関となることで、

他の情報組織をまとめ上げる。



3、モサドとCIAの紐帯によって、

イスラエルとアメリカの関係を裏から支える。



・21世紀になってもイスエラル国家にとって、

モサドがその外交・軍事戦略を支えていく上で、

不可欠の存在であることには変わりない。



★コメント

常にサバイバルを意識するイスラエルの情報機関から

学べることは多い。