◆峯村健司『中国「軍事強国」への夢』を読み解く



著者→劉明福

翻訳→加藤嘉一

監訳→峯村健司



★要旨



★監訳者解説



・劉明福とは私が、

朝日新聞北京特派員だった時から

10数年来の知り合いで、

単独インタビューを何度かしたことがある。



・東京でのパネルディスカションで

「中国は台湾をどうしようとしているのか」

と尋ねられると、

劉はこう答えた。



「米国こそが我々のお手本で、

100年以上前に模範を示してくれた。

米国内で北部と南部に分かれて

4年間の戦争をして62万人が犠牲になった。

中国が台湾を攻撃するならば、

当時の北部が南部を打ちのめした先例を参考にする。

しかし、我々は犠牲者を出さないより

スマートな方法を採用するだろう」



・シンポジウムに参加した、

マイケル・ピルズベリーは、

情報機関にいた人物にしては珍しく、

興奮気味に筆者に語りかけた。


「今日の劉氏の応答は、

まさに本物の中国の政治将校のスタイルだった。

人民解放軍が訴えたいプロパガンダだけを主張して、

機微に触れる質問や話題は煙に巻く。

じつに見事なパフォーマンスだった」



・シンポジウムが終わった後、

劉と寿司を食べながら議論した。

劉は先ほどまでのパフォーマンスがうそのように、

米中、日中関係のほか、

人民解放軍が抱える問題点について

冷静沈着に淡々と語りだした。

オフレコだったので会話の内容は

ここに記すことは控えるが、

じつに意義深い意見交換ができた。



・胡錦濤政権は、

劉の著書『中国の夢』を発禁処分にした。



・「禁書」扱いにした前政権とは対照的に、

習近平政権は、「中国の夢」を

もっとも重要な政治スローガンに採用したのだ。

習は、重要会議において

「中国の夢」を連呼した。



・習の米国に対する強硬な発言や政策を見ても、

劉の思想の影響を強く受けていることが

うかがえる。



・習政権にとって最も重要な政治スローガン、

看板政策である反腐敗キャンペーンの理論的支柱の役割を

劉明福がはたしていたことがうかがえる。



・劉は、中国軍内の「異端のタカ派」ではなく、

習近平の「軍師」の一人と言っても過言ではないのだ。



★コメント

台湾政策について、

中国は相当深く研究していることを改めて知った。

さらに熟読して、分析を進めたい。






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