◆原田武夫『日本経済復活のシナリオ』を読み解く
副題→「インテリジェンスのプロが書いた。
金融立国という選択肢」
★要旨
・あらかじめ、この本の結論を言おう。
「日本バブル」という千載一遇のチャンスをもって、
我が国は「金融立国」を図ればよいのである。
・世界は5つの階層でできている。
・欧米は、富が「東」へ行くことを恐れている。
・欧米社会には、明確な階級社会がある。
・被災地を「金融」というテコで輝かせるべし。
・素人は「ビジネス」と聞くと、まずはカネだ、
カネ集めだと思ってしまう。
「ヒト・カネ・モノ」の3つでいうと、
ビジネスで最も大切なのはヒトなのだ。
ヒトが集まらない限りは、絶対にビジネスは進まず、
拡大していかない。
・日本は、かつて「金融力」で外交を行っていた。
・1920年代から1930年代にかけて、
幣原外交によるソフトな取り組みと連動する形で、
我が国は「金融力」を用いて、
北は朝鮮半島・満州、南は台湾から、
「それぞれ日本円」を中国マーケットへと
浸透させ始めていたことも事実なのである。
いわゆる「円圏(yen zone)」である。
・イギリスでは由緒正しき大学を卒業した者だけが
入会を許される「クラブ」が幾つかある。
クラブによってはさまざまだが、
基本的には「査読論文を最低2つ執筆したこと」が
入会条件となっている。
・年齢を問わず、「ジェントルマン」として
認められた男たちだけがクラブに
寄り集うことを許され、
そこで繰り広げられる「社交」という名の密談に
加わることができる。
・国土交通省のキャリア官僚の旧友がこうつぶやいた。
→
「自民党は国土強靭化、国土強靭化といって騒がしいけれども、
実際のところ一番大事な問題を2つ、
彼らは見過ごしているんだよ。
土木・建築の関係者なら誰でもしっているのだけれども、
どういうわけかマスコミが語らない2つの問題だよ」
→
「1つは仮に公共事業を国が大量の発注したとしても、
これをどの業者にやらせるか、
現場で仕切ってくれる政治家が
この国にはもういないという問題。
最後に残っていた仕切り役が、
古賀誠・前衆議院議員だった。
今いる政治家は口ではあれやこれやというが、
そういう泥仕事を巧みにこなしていける、
能力を持った人は一人もいない」
→
「役所に相談に来られたらもっと困るよ。
本来であればすべてが競争入札で決まるという建前なのだから。
しかし、現場では絶対にそれはうまくいかない。
だから仕切り屋が政治家のレベルで必要なんだ。
まさに腹を据えてやってくれる政治家がね」
→
「そしてもう一つ、もっと深刻な問題がある。
それは公共事業の担い手がいないということだよ。
つまり土木・建設作業員たちの数が激減し、
かつ高齢化しているんだ」
★コメント
日本社会の舞台裏を垣間見える。
研究を続けたい。