◆高橋祐貴『追跡・税金のゆくえ。ブラックボックスを暴く』を読む
副題→「ブラックボックスを暴く」
★要旨
・近年、国や地方の予算は、
複数年度にわたって使われる基金のほか、
年度内に編成される補正予算、
一定の財政規律の意識が働いている当初予算が主だ。
・複雑化するため、
適正な税金の使われ方が見えにくくなり、
現実的な予算の積み上げではなく、
規模ありきの予算編成が進みやすくなっている。
・会計検査院では国税が入る部分しかチャックできない。
メスが入りにくかったり、手間がかかったりする部分こそ、
取材のネタが詰まっていた。
・継続して取材を続けるべきだと教えてくれたのは
情報提供者の取材相手だった。
・中抜きは、「一般社団法人」という仕組みなしでは語れない。
委託事業の闇を初めて明らかにするため、
巨大なピラミット構造による委託スキームの内側に迫った。
・大手代理店の関係者などリストアップした30人に
手紙を送るなどして取材を申し込んで、
より詳しい話を聞いた。
・ある大手広告代理店幹部は語る。
「先駆者の電通の存在は唯一無二。
稼ぐことに対してのメンタリティと意欲は桁違いで、
記者顔負けの情報量と人なつっこさで
取引先の懐にすっと入り込んでいく組織だ」
・大手広告代理店には官公庁業務を
請け負う専門の部署が存在する。
・一部の関係者から「公共政策部」とも
呼ばれる部署に所属する電通社員の名簿などを入手し、
リストをエクセルにまとめた。
講演会などに出席した情報などもたどって
顔写真も集めた。
→取材では頭の整理も兼ねて
上下関係や人物像なども聞き、簡単な相関図も作った。
これが結果として大いに役立った。
関係者からの証言を得る時に内部事情を知っていると、
取材相手が核心について話しやすくなったような気がする。
・「使われない事業」を深堀りするに当たって、
公開情報が大いに役立った。
・「悪魔は細部に宿る」
ある元政府関係者から届いたメールには
こう書かれていた。
悪魔はどうやってあぶり出せるのか、
と聞くと地道な取材の積み重ねでしかないと
励まされたことがあった。
★コメント
まだまだ埋もれた情報があふれている。
見極めたい。
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