◆谷口智彦『安倍晋三の真実』を読み解く

 (官邸「激闘の舞台裏」)


 


※要旨



・「ネバー・デスペア」

(決してあきらめるな)


愛蔵書はと問われると、

安倍晋三総理は決まって、

この題名がついた、チャーチルの評伝を取り出す。



・これは、戦時指導者としてではなく、

戦後のチャーチルを描いた評伝なのだ。



・英国人はドライというのか、

あれだけその人の周りに国民が一致団結した、

その演説に幾度も勇気を奮い起こしてもらったという

そんな指導者だったのに、戦争が終わるやいなや、

もう用済みだとばかりに、

チャーチルを首相の座から引きずり下ろす。



・さぞやチャーチル本人には、

過酷な体験だったに違いないわけだが、

ここからがチャーチルの真骨頂。

「ネバー・デスペア」

決してあきらめず、

戦後、再び英国の首相として返り咲く。



・その様を描いたのが、

いかにも分厚そうな、安倍総理が手にしている本だ。



・第一次安倍政権を退陣したとき、

米国人で長年の友人だったさる人物が

安倍さんに贈ったのが、

このチャーチルの評伝、

決してあきらめるな、絶望するな、

という題名の評伝だった。



・アメリカ海軍出身で、

日米関係を繋いできた、

ジム・アワーさんだ。



・総理の座を病気の進行によって退かざるを得ず、

全国民から弱虫呼ばわりされていた、

まさにそのとき、

アワーさんはこの本を贈って、

表紙見返しのところに書き込みまでして、

「あきらめるな、立ち上がれ」

と励ました。



・私が主として担当しているのは、

安倍総理のスピーチの中でも外交に絡む

少し長めの演説草稿だ。



・訳を知らない人が、つい見落としがちなのが、

安倍さんが義理人情に篤いからこそ、

彼の力になろう、助けになろう、

安倍さんのためだったらなんでもしようと思う人が、

いつも必ずいる。



・私心、利害、打算を超越し、

何かせずにはいられないという人が、

安倍さんの周りには、自然と集まってくる。



・官邸慣例の「お茶飲み会」



・安倍官邸の安定を支える要素。

もっとも肝心なことは、

トップの安倍さんが自己抑制を利かせ、

いやなことを長く引きずったり、

誰かを強く不快に思ったりすることなく、

基本的に気持ちを平静に保っているところ。



・その仕組みとは、官邸キーメンバー6人による

昼食後の茶飲み会だ。


安倍総理、菅義偉官房長官、

西村官房副長官、野上官房副長官、

事務方で、杉田和博官房副長官、

政務秘書官の今井尚哉さんだ。


15分程度、お茶を飲みながら、

雑談、情報共有をするそうだ。



・このように安倍総理官邸は、

世にも稀な、インフォーマルで裃の取れた、

情勢分析、意見交換の場を作り、

毎日それを動かしている。



・普段は一種の井戸端会議の場。

他愛もない話でケラケラ笑ったりするわけだ。

でもそれですら、

いざというとき必要なツーと言えば、

カーの関係を強めることとなって、

プラスの結果をもたらす。



・菅官房長官は、

毎日決まって朝4時半には起床。

6時にSPさんが来て、一緒に散歩し、

7時からはだいたいいつも総理官邸裏のホテルで

朝食をとりながら、誰かに会うというのが、

菅長官の一日の始まりだ。



・菅さんは、起床してから6時までの間は、

すべての新聞と、週刊、月刊の雑誌など

くまなく点検する。



・一日が終わると、

夜の会合が2本、3本入っていることが珍しくない。

この日課を毎日続けるとは

強靭な体力、気力を必要とする。

土日ともなると、

菅長官も、ほとんどすべての週末を当てて、

平日には聞けない突っ込んだ話を官僚たちにさせてみたり、

利害が折り合わない役人を両方連れてきて、

目の前で議論させ落としどころ探らせたり、

といったことで潰している。

つまり休んでないということだ。


 


 


※コメント

安倍さんや菅さんたちの強靭な働きぶりに驚く。

60代の人たちがこんなに働いているとなると、

我々、若手も負けてはいられない。

オジサンたち以上に働きたい。