◆江崎道朗『米中ソに翻弄されたアジア史』を読み解く

→福島香織さん、宮脇淳子さん共著。

(副題、カンボジアで考えた日本の対アジア戦略)

★要旨


・歴史編
「現代カンボジアを知るための東南アジア史概説」は、
題名どおり、地理に始まり、
古代から現代に至るインドシナ半島の歴史を、
カンボジアに焦点を当てて解説している。


・あとの二人には、大学の講義みたいでわかりやすかった、と言ってもらったが、
現地で見聞きしたことを私自身が理解したくて、
帰国後、東洋史の先達の概説書を片っ端から読んでまとめた。
(宮脇)


・政治編の前半では、
日本敗戦のあと復員せず、カンボジアの独立運動を助けた日本人、只熊力氏を通して反仏独立戦争を描き、
後半では、
米中ソの間で自己の権力確立だけを画策して
内戦を引き起こすことになったシハヌーク国王の実態を描き出している。



・本書では、カンボジア生まれの華人工作員、
周徳高のオーラル・ヒストリーに基づいて、
華人視点からクメール・ルージュ(カンボジア共産党)と中共の関係を考察する。


・中共の革命輸出がどのようになされたのか、カンボジアだけでなく、東南アジアすべてにおいて、
華僑・華人がどのような役割を果たしてきたかを、
私たちはもっとよく知らなくてはいけない。


・政治編「カンボジアの反仏独立闘争と日本」を
担当した江崎道朗さんは、私たち三人のなかでは、
カンボジア近現代史にもともと一番詳しい。


・私たちにできることといえば、
カンボジアの現状を日本人に正しく伝えることだろう。


・というわけで、
三人それぞれの得意分野で、精一杯に調べて執筆した成果が本書である。


・私はモンゴル史の専門家なので、
北アジアや中央アジアにばかり目が向き、
これまで東南アジアにはまったく縁がなかった。
(宮脇)

・アンコール・ワットに行ってみないか、と誘われたとき、
ここなら仕事を完全に離れて思い切り気楽に旅を楽しめる、と思った。


★コメント
そこまで注目していなかった国である、カンボジア。
やはり長い歴史があるだけに、
奥深い。
本書は内容が濃いため、
脳ミソがワクワクしている。




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