◆峯村健司『宿命。習近平・闘争秘史』を読み解



★要旨


・中国共産党の歴史を振り返ると、
まさに血で血を洗う権力闘争の連続に
他ならない。

・毛沢東が権力掌握のために
しかけた反右派闘争や文化大革命、
毛の後継者となった華国鋒とトウ小平の政争、
改革開放をめぐるトウと保守派高官の対立。

・どんなに地位を上り詰めようとも、
勝ち続けなければならない。

・敗北した者を待ち受ける過酷な運命は、
我々の想像を遥かに超える。
その恐怖におびえながら、
必死にはい上がろうともがくことが、
世界第2位の大国となった中国が
未来に向かって進むための
パワーを産みだすのだ。

・権力闘争によって国家は
針路を変えながら前進を続ける。

・いわば、権力闘争が
中国共産党を永続させるための原動力なのである。


・記者として一人前になってきた入社8年目、
1年間中国に留学することになった。

・今度は異形の大国が相手だ。
期待感よれりも不安が大きかった。
この時すでに30歳。
一から外国語を学ぶには、
決して若くはなかった。

・街には人があふれ、
地下鉄に乗るのも、
タクシーを捕まえるのも、
大学の授業で発言するのも、
すべてが激しい競争だ。

・共産党内の権力闘争が、
末端の市民の生活にまでしみこんでいた。

・負けても手をさしのべてくれる人は誰もいない。特に中国語がつたなかった私は、
絶望感にうちひしがれた。
生きるための語学力をつけるため、
身振り手振りを交えながら、
道行く市民に声をかけた。

・タクシーの運転手から
歴史問題をふっかけられ、
3時間近く激論をしたこともあった。

・このとき、
文法も発音もめちゃくちゃでも、
心を込めて体当たりで話をすれば、
主義や民族の違いを超えて相手に
伝わることに気づいた。


・悩み抜いた末に、
私が行き着いた先は、
自分にしかできない取材をやろう、
ということだった。

・駆け出し時代から
こだわってきた「現場主義」である。
とにかく真っ先に現地に行き、
当事者の話に耳を傾け、
決して権力者におもねらない。
この原則にこだわっない。

・現場に足を運び、
当局者や市民の生の声を拾うように心がけた。

・記者会見場で当局者に
声をかけては食事に誘った。

・酒を酌み交わしながら
ざっくばらんに語り合い、
ある時は机をたたきながら激論を交わす。

・この繰り返しの中で
相手とのつながりを深めていく。
そうして互いに腹を割って話すうちに、
公表情報にはない「事実」を
少しずつ手に入れられるようになった。

・こうして集めた一ひとつの言葉が
放つ淡い光を集め、
中国共産党というとてつもない
深い暗闇をほのかに照らして、
ぼんやりとした像を浮かび
上がらせようとしたのが、
本書の試みである。


★コメント
記者の圧倒的な取材力というものを
目の当たりにした。
決してネットでは集められない
情報力というものがあると知った。

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