◆フーバー大統領『裏切られた自由:上巻』を読み解く(その1)

(副題:フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症)

編者:ジョージ・ナッシュ。
翻訳:渡辺惣樹

 


※要旨


★編者、ジョージ・ナッシュの解説。


・ハーバート・フーバーのミステリアスな「大事業」。


・1951年11月、
広報専門会社役員のジョン・ヒルは、
ニューヨークでハーバード・フーバー元大統領と
夕食を共にしていた。


→二人の会話は、次のようなものだった。(要旨)

「世界はぐちゃぐちゃになりましたね」(ヒル)

「そのとおりだ」(フーバー)

「私はこの混乱は、我が国の政治家たちの失敗に
原因があると考えています。
この問題については誰かがしっかりとした本を
書き残すべきと思っています。
そうした本が出版されれば、長きにわたって
読み継がれる書になるはずです。
『世界を変えた15の戦い』と同様に
古典になるにちがいまりません」
(ヒル)


「全くその通りだ。
しっかりした本が書かれなくてはならない。
その第一章の内容がどんなものになるべきかは
今ここで君に教えることができる」(フーバー)

「1941年6月、ヒトラーはソ連との戦いを開始したが、
ルーズベルトはソ連を助ける側にまわった。
我が国はあの二人の馬鹿野郎を徹底的に戦わせればよかった。
それが第一章になる」(フーバー)


「素晴らしい本になるでしょう。
ぜひご自身でお書きになったらどうですか」(ヒル)

「僕には時間がない。君が書いたらどうかね」(フーバー)


→この会話の中でフーバーはある事実を隠していた。
彼はこの時点ですでに数年間にわたって
このテーマでの本の執筆を進めていた。


→1930年代から1945年までの
アメリカ外交を網羅的に扱い、
かつ批判的に叙述することがテーマであった。


・実は1963年に、
フーバーはこの趣旨の本の原稿を完成させていた。
彼は当初、メモワールのようなものを構想していた。
しかしやがて、あの戦争をじっくり再吟味し、
歴史修正主義者として、
ルーズベルトの誤った外交を告発する書になっていた。


・それは歴史修正主義者と呼ばれることに
まったく動じない覚悟のある内容であった。


・フーバーは書き上がった原稿に
「裏切られた自由」と
標題を付けていた。
実際フーバーの作業は「大事業」だった。


・彼は、1944年からおよそ20年間にわたって
膨大な量の原稿を書き、
繰り返し推敲している。
「大事業」がほぼ終了したのは
1963年9月のことであった。


・フーバーの命は1964年10月20日に尽きた。
90歳であった。


・フーバーの相続人は「大事業」を出版しないことに決めた。
それ以降およそ半世紀にわたって、
原稿はひっそりと誰の目にも触れることなく
保管されていたのである。


・いま読者が手にしている本こそ、
1963年から64年にかけて
フーバー自身が確認し最終的に
承認した原稿によって完成したものである。
したがって、歴史研究者の目に触れるのは
これが初めてである。

 

 


※コメント
フーバーの圧倒的な仕事量に
驚くばかりだ。
やはり大統領になるくらいの人は、
パワフルであり、
エネルギッシュである。

 


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