◆川口マーン恵美『世界一豊かなスイスと、そっくりな国ニッポン』を読み解く

 

※要旨

 


・国防と民間防衛とスポーツを合体。


・スイスの学校では、愛国心が教育され、体育に力が入れられる。
先祖がいかに国を守ってきたか、
現在、いかなる危機が国を脅かしているか、
有事の際は、どのように国を守っていくべきかなど、
民間防衛の歴史とノウハウを、男も女も大人も子供も、常に教え込まれてきた。


・スイスの農業は実は観光業。


・美しい自然は政府の緻密な計画で。


・実はスイスの理想的な農村風景は、
スイス政府の冷静な頭脳と緻密な計画、
国民の合意によって作り出された理性の産物なのである。
そして、そこには何より、
膨大な補助金が注ぎ込まれている。


・スイスの農業の半分は農作で、あと半分が酪農を中心とした家畜業だ。


・では、なぜ牛たちは、
自分たちの生産性の悪さにもかかわらず、
幸せそうに、ときには険しい山肌にまでくっついているのか?
それは、その光景がまさに貴重な観光資源であるからだ。
つまり、スイスにとっては、この光景が国益につながるのである。


・貴族の金儲けのための傭兵。


・スイスの原動力は国民そのものにあるような気がする。


・「人間力」というのは、いろいろな意味がある。
まず、純粋に体力。酷寒に耐える強靭さ。
急峻な山道で鍛え抜かれた持久力。
そして、粗食で生き抜く力である。


・山がちな国土では、
人口が増えればたちまち食料が不足した。
輸出するものは人間しかなかった。それゆえ、
スイスは中世以来、ヨーロッパのあらゆる戦線での戦士の供給国と
なっていったのだが、そのスイス傭兵の歴史は、あまり知られていない。


・ドイツの原発は日本製だから安全。


・日本製鋼所の世界一の技術の神髄。


・ドイツが自信を持って絶対安全といったのには、
理由がある。
大砲の砲身や、原発の圧力容器には、
最高品質の鋼鉄が求められるが、
現在、世界一の鋼鉄を作れるのが、
北海道室蘭市にある日本製鋼所(JSW)である。


・ドイツの再エネ失敗に学ぶこと。


・電気の安全供給には、ベースロード電源が必要だ。
ベースロード電源というのは、年間を通して、
季節も天候も昼夜も問わず、
一日の需要の最低水準を満たす信頼性の高い電源のことで、
これを低価格で安定的に供給できなければ、産業国は成り立たない。


・人間の力が及ばないものこそ美。


・その偉大な自然に対する畏怖の念こそ、
スイス人が原体験的に持っている感覚ではないかと想像する。

 


※コメント
すっきりした筆致の日本とスイスの比較論だ。
本質をつかむレポートの書き方を学べる。
貴重な一冊だ。

 

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