幼いころの私の遊び相手は
姉が幼稚園へ行っている間はいつも祖母だった
父は仕事で家にいない
母は家事や来客で慌ただしく
祖父は家の一室を“ミニ図書館”にして、一日中読書に没頭していた
家の中に大人はたくさんいるのに、私と向き合ってくれるのは祖母だけだった
祖母は五十代の頃から足腰が悪く、いつも杖をついて歩いていた
それでも、暇を持て余している私を放っておけなかったのだろう
杖をつきながら近くのお店に連れて行ってくれては、私の好きな塗り絵を買ってくれた
色鉛筆を握る小さな手を、祖母はいつも優しく見つめていた
雨の日は家の中で、お馬さんごっこをした
祖母が四つん這いになり、私はカウボーイのようにその背中に跨がる
ハイドー ハイドー とお尻をペチペチ叩きながら
いま思えば、なんて無茶なことをお願いしていたのだろう
足腰の悪い祖母に、そんな姿勢を取らせていたなんて――
そのときはただ嬉しくて、ただ甘えて、ただ無邪気に笑っていた
そんな日々は永遠に続くと思っていた
だけど、突然のお別れが訪れた
私が四歳の冬の朝、祖母は脳溢血で倒れ二度と目を覚まさなかった
あまりにも急だった
小さな私は状況を理解できず、ただ呆然と立ち尽くしていた
「私のせいかもしれない」
そう思い込むのに時間はかからなかった
重い身体で私を乗せて遊んでくれたこと
無理をさせた数々のこと
子どもの想像は、罪悪感という色にあっという間に染まってしまう。
祖母のぬくもりだけが、ぽつりと胸の奥に残ったまま、私の日常だけが静かに続いていった