前原国土交通相、仙谷行政刷新相、岡田外相ら民主党の「リーダー格」の議員が、小沢幹事長の資金管理団体の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件について、慎重な発言に終始している。

 いずれも小沢氏とは距離を置いているが、閣僚のため、小沢氏を批判して鳩山政権の足を引っ張りたくないとの思いがあるようだ。ただ、若手議員からは「ここで声を上げなかったら、いつ上げるのか。あまりにもふがいない」とのぼやきも漏れている。

 前原氏は、小沢氏に説明責任を果たすよう求めている。静岡県内で17日、記者団に「検察から事情聴取の要請があるのであれば、率先して臨まれるべきなのではないかと思う」と述べた。ただ、小沢氏の続投判断については、「とどまるのは当然だ」と支持した。

 岡田氏はかねて小沢氏の資金管理団体の土地購入問題については発言を控えている。仙谷氏も、石川知裕衆院議員の逮捕後、多くを語ろうとしていない。

 前原氏や仙谷氏らには、党内や世論の空気を慎重に測りたいとの思いがあるようだ。党内には小沢氏を支える強固な組織「一新会」(約50人)をはじめ、衆院当選1回の議員も「小沢チルドレン」と呼ばれるなど強烈な「小沢シンパ」がいる。

 前原氏に近い議員は「もう少し世論の批判が高まらないと、小沢さんとは戦えない」としている。

 表向きはおとなしい「リーダー」たちも、心中では小沢氏への不満を募らせているようだ。

 党大会のあった16日夜、渡部恒三・元衆院副議長を囲む「民主党7奉行」の会には、前原氏は欠席したものの、仙谷、岡田両氏のほか、やはり小沢氏に批判的な野田佳彦・財務副大臣らが出席。出席者は表向き、「小沢氏の問題については話していない」(野田氏)などと一様に口をつぐんだが、実際には会合で「小沢幹事長のままでは民主党は持たない」などの意見が出たという。小沢氏の幹事長続投を認めた鳩山首相の判断を批判する声もあったという。

 一方、「リーダー」たちの「代弁者」のように小沢氏を公然と批判しているのが、渡部氏だ。18日は国会内で記者団に、「思ったことは、徳川時代だってみんな言ったじゃないか。『悪代官のもとで生きていけない』と。まして、今は民主主義社会なんだから、国民の聞きたいことに政治家が答えるのは決まり切ったことだ」と語り、相変わらずの「渡部節」を披露した。

 渡部氏は昨年、小沢氏に代表辞任を求めて不興を買い、政権交代後、党最高顧問の役職を追われた。党内には「渡部氏にはもう怖いものがないから、うらやましい」との声も聞こえる。

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