高円寺駅をおりるといくつもの商店街がみえた。
純情商店街。
パル商店街。
少しブラブラと歩いてみた。
八百屋や古着屋。
雑貨屋や飲食店も無数にある。
小さな商店の一つ一つが高円寺の町をつくっていた。
少し路地にはいると風俗店が何件もつづいていた。
そのあやしげなピンク色の光がネオンをつくる。
町のいたるところでは、ストリートミュージシャンたちが
演奏をしていた。
僕は高円寺の町の雰囲気をすぐに好きになった。
下町の良さがあった。
「やばい。そろそろ店にいかなきゃ。」
すでに夕方の5時をすぎていた。
店につくと、アルバイトの男に客と間違えられた。
「あ、はじめまして。このたび高円寺店に配属になった
五十嵐です。」
「すいませんでした。あなたが五十嵐さんですね。
今店長をよんできます。」
奥から色白で目がギョロギョロした男がでてきた。
「はじめまして。五十嵐ともうします。よろしくお願いします。」
「店長の川根です。五十嵐君、くるのが遅いよ。
くる前に自分から電話をするのが常識だろ。」
「あっ。えー、すいません。」
山井店長がいうには、直接店にいけばよいといってたのに。
いきなり注意されちゃったよ。
僕と川根店長とのやりとりを2人の女のアルバイトがみていた。
2人とも45歳前後にみえた。
渋谷駅前店にはいなかった主婦のアルバイト。
2人のはなしている表情がみえた。
僕は直感的におもった。
この2人は気が強く、意地悪だと。