エクアドルのメキシコ大使館に、エクアドルの警察が乱入、メキシコに亡命を申請していたホルヘ・グラス氏（左派政権時の副大統領）を連れ去った。外交特権を無視した暴挙にメキシコ政府は激怒。メキシコの外務大臣はテレスールの電話取材に応じた。

急遽決まった取材だったろう。この取材を任されたのが、今回紹介するグスタボさんである。ただ原稿を読む仕事と違い、相手があり、その相手は外務大臣で、その言葉はそのまま国家の方針となる。自分の仕事次第で、状況を動かせるかもしれないのだ。ジューナリストとしてもっとも難しく、やりがいのある仕事ではないか？

そのグスタボさんは、つい数年前にテレスールに入社。その前は何をやっていたのかというと、歌手である。どんな音楽かというと、ロックだ。グスタボさんのミュージックビデオを観てみたが、なかなかいい感じである。

私は、テレスールという会社は、もっとピラミッド型構造の会社だと思っていた。たとえば、ＮＨＫなら、他国の外務大臣への取材は相当偉い人がおこなう。つい数年前に入社し、その前はロッカーでしたというような社員が、偉い人を取材することなどありえない。

つまりテレスールはそのような人でもチャンスのある、風通しの良い面のある会社なのではないかと思った。ロッカーだったということは、ロックという引き出しがあるということで、音楽の話題も話せるわけで、能力が幅広い。

つい最近、グスタボさんはインスタを更新した。かわいい息子さんがおしゃれをして、テレスールの社屋を訪問し、グラディス・ケサダさんやレアンドロさんに可愛がってもらっている投稿だった。そこには、父の仕事を誇りに思う息子の姿があった。

gustavo pradaさん