それでも空は青い






荻原浩さんの短編小説集を読みました



スピードキング

妖精たちの時間

あなたによく似た機械

僕と彼女と牛男のレシピ

君を守るために、

ダブルトラブルギャンブル

人生はパイナップル



7つの物語が収録されています


最後の『人生はパイナップル』じーんとさせられました

戦争を経験しているお年寄りの言葉は重みがある

野球のピッチャーで甲子園に出たおじいちゃん

台湾でパイナップル畑、パイナップル工場で働き続け。。。

戦争でボールの代わりに手榴弾を投げて肩を壊し。

手榴弾ってパイナップルみたいな形をしていて、それも何だか切ない


孫との会話の中でポツポツと語られる昔話に聞き入るように読み進めました



『君を守るために、』

まさかの幽霊がストーカーから守ってくれるお話。

全然怖くない幽霊になっちゃってる本村くんが良いです



どの物語も読み易くてバラエティに富んだ短編集でした

野球にまつわる話が多かったかな

それぞれ色々な人生があるけれど、それでも空は青く広がってるということなのかなぁ



 店長がバカすぎて



早見和真さんの小説、初めて読みました





本のタイトル通り、店長の言うことなすことポカーンと思うことが多くて無気力

でも上司がこんな感じだと、どうしてもその下のポジションの人がしっかりしなきゃならない

書店員さんって大変なんだなぁ、と思いました

きっと書店で働いている人なら、あるあるーと思うことがたくさんありそうです



主人公の谷村京子さんがイライラしたりキリキリして。私はそのたびに頑張れーと思いながら読みました

多分こういうタイプの同僚がいてくれたら、一緒に仕事をするのが楽しそうです

腹が立つのはそれだけ一生懸命働いているからです

適当にやっていたら、怒りも湧かないでしょうし



途中カリスマ書店員の佐々木陽子さんが



「結局、バッグに退職届を忍ばせている時点で、私たちは辞められないんだ。年月を経るたびに重たいものを背負わされていくし、ままならないことも増えていく。どんどん上の人間がバカに見えてくるし、バタバタしている自分がアホらしくなっていく。(〜続く)」



こういうセリフがあって。




私はバッグに退職届を忍ばせたことはないですが、年月を経るたびに〜の部分からは、共感しかなかったりして真顔

(主人公は正社員ではなく契約社員で、その部分も常に自分が私パートなんだけどなと思いながら色々と責任ある仕事をやらなきゃならない状況が常態化した部分と重なったりして)

自分も仕事辞める前は、バタバタしている自分がアホらしく感じるようになってしまったところがありましてガーン



不思議と共感する場面がある話でした