ホテルローヤル

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先日、図書館から借りて読んだ本。





桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」。
第149回直木賞受賞作。



北海道出身の作家さんで、物語の舞台も釧路ということで読んでみたかった作品。




釧路湿原の近くの高台に建つラブホテルを軸に7つの短編小説で構成されています。
最初の物語は、すでに廃墟になった後の話で、最後の物語は、ホテルローヤルがこれからオープンする時の話だったり。
時間軸も行ったりきたりで、それぞれの話を読むことでつながる部分があったり。





なかなかずっしり考えさせられた感じです。
そもそも性の部分って、誰もオープンにする話ではないし、何かこう後ろめたさを感じたり、誰にも言えないこともあったり。
全体を通して物悲しい感じで。





物語とわかっていながらも、お金や生活のことなど、登場人物がそれぞれ苦労していることも描かれていて。
どこかでこういうことが起こっているかもしれないというリアリティーを感じ、どうにも苦しく感じてしまう部分もありました。





文章はスラスラ読み進め易い作品なのですが、気軽に読んでいられないような気持ちになったりして、なかなか一気に読み進められませんでした。




今年の11月には映画化されることも決まっているそうです!