私の追憶の名画・6「ウエストサイド物語」いつ見ても斬新! | B級おもしろ映画館

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「ウエスト・サイド物語」    1961年   151分   70ミリ

 監督・製作・ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンス

 音楽・レナード・バーンスタイン、振付・ジェローム・ロビンス

 タイトル・デザイン・ソール・バス

  出演・ジョージ・チャキリス、リタ・モレノ、ラス・タンブリン

      リチャード・ベイマー、ナタリー・ウッド

 

今更なんで「ウエスト・サイド物語」なのって言われそうですが

この映画、ピカデリーでの最初のロード・ショーに始まって

10回以上と言われるリバイバルも含めて、多くの劇場に行っている。

今考えるとその全てが一人だったと思う。

理由は分からないが、ボディー・ガードの要望も無かったと思う。

最後に見たのは名古屋駅前のシネコンだった。

 

この映画の想い出

☆ピカデリーでの記録的ロングラン☆

1961年12月、東京有楽町・ピカデリー劇場で公開。

511日間の単館での長期ロード・ショーに成功。

150万人を超える入場記録も作った。

但し、大都市圏では入場者が殺到したが、

地方都市では思ったほどヒットはしなかった。

今調べてみると私がこの映画を初めて見たのは

徳島市にあったテアトル丸新と云う映画館だった。

勿論、70ミリの上映ではなく音響もステレオ・タイプではなかった。

二度目に見たのが、東京で技術学校に通う事になって

上京した時で、ピカデリー劇場で70ミリで見た。

 

オープニングの上空からのニューヨークの大俯瞰撮影に度肝を抜かれ

カメラが地上に降り立つとあのフィンガー・ステップが聴こえる。

ラス・タンブリンを中心に踊り出すジェット・ソングに

めまいがしそうになる。ポスターにもなっているジョージ・チャキリスら

三人の足を上げた仰角のショットもここで出てくる。

この間、何のセリフも無い。今までの映画にないトンデモナイ映画が

始まっていると思った。

個人の芸を楽しんだMGMミュージカルに代表される作品が

この映画一本で吹き飛んでしまった。

(私はMGMミュージカルが今も大好きです。

史上最高のダンサーはフレッド・アステアだと思っています)

ラストの「どこかへ」まで全15曲。

レナード・バーンスタインが普通の歌手では絶対に歌えない曲と思い

作られた素晴らしい楽曲が今も甦ってきます。

ソール・バスのタイトルデザインの素晴らしさ。

ジェローム・ロビンスの振り付けの素敵な事。

それの応えた全ダンサーにアカデミー賞を贈りたい。

 

実は私、この映画を初めて見た時、あまり感動しなかった。

この時初めて、その思いを淀川長治さんに長い手紙にして

読んでいただいた。私が出した手紙より長い返事がすぐに届いた。

この映画がいかに優れているかを、歌舞伎から能狂言、文楽迄

引き合いに出して絶賛されていた。

好きとか嫌いだけで、視野の狭い料簡で物事を決めないで、

若い素直な魂を生かして下さい、とのアドバイスまで付いていた。

この手紙の私の大切な宝物になっています。

 

私はS・スピルバーグ版はまだ見ていません。

見るチャンスが無かっただけで、見たくないとは思っていません。

ブルーレイなんかで見る前に劇場のスクリーンで見たいと思っています

 

色んな思いや出来事がこの映画にはありました。

アメリカの友人に連れられて、L・Aのデカい映画館で70ミリで

見て、その映像の美しさに圧倒された事もありました。

彼が「日本の映画館は画像がそんなに綺麗ではない、

アメリカの劇場の映像は本当に綺麗」と言っていた事も思い出す。

今日、久し振りに見てレナード・バーンスタインの凄さに圧倒されました