「マシンガン・パニック」 1974年 114分
監督・製作・ステュアート・ローゼンバーグ
出演・ウォルター・マッソー、ブルース・ダーン、
スウェーデンのペール・ヴァールー&マイ・ジューヴァル夫妻の
大ヒットベストセラー警察小説のシリーズが原作。
日本に紹介された最初の「笑う警官」が原作です。
サンフランシスコ、現代。
刑事デイブ・エバンスが、ある男を尾行していた。
下町のバス停まで来ると、
その男はエバンスをまこうとしてバスに飛び乗った。
エバンスもそれを追ってバスに乗り込んだ。
バスがサンフランシスコの街中のバス停にとまると、
1人の男が乗り込んできた。その男は後部座席に陣どると,
やがて大きなカバンの中から組立式の小型マシン・ガンを取り出した。手早く組み立てると、息をのむ間もなく引金を引いた。
8人の乗客はバタバタ倒れた。運転手も射殺された。
バスは歩道を突破して民家に突っ込んで止まり、
犯人はそのまま立ち去った。
急報に接していち早く駈けつけたのは、サンフランシスコ警察殺人課の刑事ジェーク・マーティン(ウォルター・マッソー)、
レオ・ラーセン(ブルース・ダーン)、
ジェームス・ラリモア(ルイス・ゴセット)の3名だった。
バスの中は正視にたえない無残なものだった。
早速、死体検証が始まり、マーティンがエバンスの死体を発見した。
(KINEMAより抜粋)
原作の設定を事件の起こった最初の部分だけ使っているが
後は捜索に近いと思う。場所もサンフランシスコに変えて
ウォルター・マッソーの刑事の性格も相当かえている。
こちらの刑事は完全にハード・ボイルドに近い性格になっている。
バスで殺された刑事が2年前の迷宮入りとなった殺人事件を
休暇をとってまで一人で調べていた事が分かる。
ここからW・マッソーとB・ダーンのコンビが、
バスの事件と2年前の事件が関係ある事が分かり
捜査を進めていく。上司からの𠮟責や圧力も関係なく
二人だけで捜査を進め、犯人を割り出してしまう。
クライマックスには、この頃のアクション映画でお馴染みの
カー・チェイスも用意されている。坂道のカー・チェイスは
「ブリット」でお馴染みだが、それなりに面白い。
この頃の映画によく出てきているゲイの事も描かれている。
ラストは、最初のバスの中での乱射の再現かと思わせて
刑事2人の活躍で犯人を射殺する。
原作の持つ、警察の集団の捜査の面白さやユーモアは殆どない。
原作のファンとしてはそれが少々残念だが
この時代の映画としてはそれもやむおえないと思う。
最初にW・マッソーの刑事が徹夜明けの時間に
自分の家に帰るシーンがある。妻にも二人の子供にも
あまり見向きもされない姿が何とも侘しい。
原作の新刊が発売されるたびに楽しみで読んでいた頃を思い出した。